オークに変装して敵の目を欺いたら、囚人に襲われて返り討ちに! スイッチ版『火吹山の魔法使い』で味わった判断と結末の連続─人はそれを“冒険”と呼ぶ【プレイレポ】

名作ゲームブックのデジタルゲームが、ようやく家庭用ゲームに登場しました。JRPGとは趣が異なる冒険譚を、こちらでがっつりとご紹介します。

任天堂 Nintendo Switch
オークに変装して敵の目を欺いたら、囚人に襲われて返り討ちに! スイッチ版『火吹山の魔法使い』で味わった判断と結末の連続─人はそれを“冒険”と呼ぶ【プレイレポ】
オークに変装して敵の目を欺いたら、囚人に襲われて返り討ちに! スイッチ版『火吹山の魔法使い』で味わった判断と結末の連続─人はそれを“冒険”と呼ぶ【プレイレポ】 全 33 枚 拡大写真

◆スイッチ版『火吹山の魔法使い』には、いくつかの問題点も─不具合には要注意!



ここまで、『火吹山の魔法使い』の特徴や魅力について語ってきましたが、残念ながら問題点が皆無というわけではありません。その中でも特に目立ったものを、いくつか紹介させていただきます。


まず、ところどころで、決して短くはないロードが挟まります。ゲーム中でエリアを跨ぐ時にロードが発生するほか、死んだ後のチェックポイント復帰でもロード(ちょっと長め)。また、ゲーム起動時には、しっかりとしたロードが入ります。エリアを跨ぐ際のロードはさほど長くありませんが、没入感の高い作品だけに、ちょっと残念なポイントです。


本作は書籍だったオリジナル版とは比較にならないほど、ビジュアル面が大きく進化していますが、細かい状況説明や選択肢などは、やはりテキストがメイン。しかし、ローカライズが万全とは言えず、ちょっとおかしな和訳なども飛び出します。洋ゲーあるあるとしての味わいもあるので、個人的には楽しい一面でもありますが、決して褒められる点ではありませんし、気になる人がいるのも当然の部分です。

そして最も深刻と言えるのが、ゲーム終盤のあるポイントでアイテムの「キュプロスの目」を使用した際、進行不能になってしまう不具合。その選択を選ばなければ回避は可能ですが、知らなければハマってしまう可能性大です。

現在、不具合や一部テキストを修正するアップデートパッチが制作中ですが、配信予定などはまだ未定。これからプレイする予定の方は、アップデートの配信を待ってから始めるのがお勧めです。我慢できないという人は、アップデートされるまで「キュプロスの目」を使わない、と心に留めておいてください。

(※問題点については、記事掲載時点の情報となります。最新の状況は、Chorus Worldwideの公式Twitterや公式サイトでご確認ください)









不具合の件も含め、親切丁寧できめ細かくて完成度の高い作品──とは言えませんが、自身の選択が様々な結果を引き出し、その積み重ねで“自分だけの冒険”を形作れる『火吹山の魔法使い』は、他のゲームではなかなか味わえない醍醐味と手応えがたっぷりと詰め込まれています。

何も知らない初回プレイは、文字通り手探りなので、振り返ってみた時に一番思い出深い冒険となることでしょう。また、経験が力となり、少しずつ火吹山の奥へと進めるようになる感覚も、冒険者心を絶妙にくすぐります。荒々しくも口当たりが楽しい、体験が記憶に残る冒険譚を掘り起こすのは、プレイヤーであるあなただけの特権です。どうか、良き冒険があらんことを!


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《臥待 弦》

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