10年目だからこその裏話も!「初音ミク×セガ プロジェクト」10周年ステージレポート

「マジカルミライ 2019」ステージにて、株式会社セガゲームスからNintendo Switch用ソフト『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』の2020年2月13日発売、初音ミクの新作スマートフォン向けゲームプロジェクト「プロジェクトセカイ」始動が発表されました。

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8月30日、千葉県・幕張メッセで開催された「初音ミク」の創作文化を体験できるイベント「マジカルミライ 2019」ステージにて、セガゲームスからニンテンドースイッチ用ソフト『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』の2020年2月13日発売、初音ミクの新作スマートフォン向けゲームプロジェクト「プロジェクトセカイ」始動が発表されました。


■『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』



同作は「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project(初音ミク×セガ プロジェクト)」の10周年記念作にして、「Project DIVA」シリーズ初めてのニンテンドースイッチ向けソフトウェアとなるリズムアクションゲーム。


シリーズ初収録となる楽曲を含む、10年間の歴史を彩った100曲に、本作のための書き下ろしテーマソング「Catch the Wave」を加えた全101曲がプレイ可能で、自由に選べるモジュール(コスチューム)は300着以上です。限定版や早期購入特典も用意されています。




会場のセガゲームスブースの試遊台でさっそくプレイ。全ての楽曲で、従来の遊び方に近い「アーケードモード」と、ジョイコンを使ってプレイする新たな「ミックスモード」の2通りの遊び方が用意されています。


ノーツに合わせて左右に持ったジョイコンを傾け、ノーツがジョイコンに重なったタイミングでZRを押すだけの簡単操作です。ピッタリ合わさらずとも触れれば判定され、EASY、NORMAL、HARDとレベルが上がっていくに連れて、ノーツの長さは短く、流れる速度も上がっていきます。



また、ステージ発表で観客を大いに沸かせたのが、同作の専用コントローラー発売決定の知らせでした。ニンテンドースイッチ版とPS4版の2種類あり、アーケードに限りなく近い操作感が味わえます。実は10年くらい前から構想があったようですが、納得いくクオリティーに仕上げにすると価格は15万円ほど、保証書も付かないなど、いくつも問題がありました。しかし、今回は税込37,778円の完全受注生産という形で世に出ます。



■10周年記念トークショー


同日は、「Project DIVA」シリーズを立ち上げた林誠司氏と『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』のクリエイティブプロデューサー・大崎誠氏が10年に渡る歩みについてトークを披露しました。


林氏は、「Project DIVA」の始まりについて、内容よりもまずはパッケージから考えたという企画書の表紙を公開。企画書タイトルは最初、初音ミクを通して楽しい体験を提供するという狙いで「歌姫育成計画」という題名でしたが、名前が硬いので、女神や歌姫の意味があるDIVAにしたそう。スラットと思いついた名前でしたが、「名前の座りが良く本質に迫っていた」ことからゲームタイトルに採用されました。


「Project DIVA」シリーズ1作目を発表した当時についても、初公開されたPVの中には実際にゲーム中で使われているシーンはほぼなかったと明かしています。「PVを作る時は素材できていなかった。PVで打ち出していたストーリーも実際は実装できなかった。後のシリーズ作で元々用意していたプロットを染み込ませたストーリーを追加するなどしていった」(林氏)。


また、印象深い楽曲を聞かれた林氏は、PVと譜面の演出の一体化が画期的だったという「メテオ」。それ以外にも、初めて踊る初音ミクのPVを作った「恋スルVOC@LOID」、一つの集大成だったという「ハロー、プラネット。」などを挙げました。

特に会場を沸かせたエピソードが、「ハロー、プラネット。」。PVでカメラ目線の初音ミクが誰かに手を引かれるシーンが登場しますが、実はモーションキャプチャー収録時に現場にいた楽曲を制作した本人・ささくれPが手を引いていたのです。このエピソードに歓声が上がる観客席を見て、林氏は「ずっというタイミングがなくて初めて語った」と満足げでした。



対して、大崎氏が真っ先に挙げたのが、絵コンテに描かれた背景の再現が本当に大変だったという『ネコミミアーカイブ』。「ちょっとしか映らないところもあるけど、細かい所まで作り込まなきゃダメなものがあるんです」(大崎氏)。それ以外にも、やはり技術的に苦労したという理由で、『ゴーストルール』などを挙げています。



また、大崎氏は「PVは公開までこぎつけても、これで本当に良かったのか?という不安はずっとある」と心境を明かし、限られた時間で追求する難しさを吐露していました。

それ以外に、「印象深いモジュールは?」と聞かれた林氏は、「卑怯戦隊うろたんだー」を真っ先に挙げ、「本気でヒーロースーツを作ろうと、6人分用意した。巡音ルカがヒーローとして出てこないので謎の幹部にしちゃえと!ほぼ自分の趣味(笑)」と熱量の高さを見せました。


裏話満載のトークの最後の締めくくりとして、「今日は色んな記憶が蘇って楽しかった。この後もプロジェクトは広がっていきます。また10年よろしくお願いします」と呼びかけています。

■「プロジェクトセカイ」始動



同日は、セガゲームスと『バンドリ! ガールズバンドパーティ!(ガルパ)』で知られるCraft Eggの協業による、初音ミクが登場する新作スマートフォン向けゲームプロジェクト「プロジェクトセカイ」も発表。開発はセガゲームスとCraft Eggの新設スタジオ「Colorful Palette」が担当し、今後の新情報は公式Twitterなどで告知していきます。


セガゲームスの荒井隼氏、「Colorful Palette」代表取締役の近藤裕一郎氏、クリプトン・フューチャー・メディアで「初音ミク」の歌声合成関連プロジェクト・チーフプロデューサーを務める佐々木渉氏の3人が登壇。

プロジェクト立ち上げのきっかけは、荒井氏がまだ初音ミクが登場するスマートフォン向けゲームを作っていないことから挑戦したい思いから、近藤氏に相談したことでした。近藤氏も「『ガルパ』の次となる代名詞的な作品を作れないか探していて、僕自身がVOCALOIDの楽曲を作っていたのもあった」とすぐ乗り気になったと明かしています。

まだほとんどゲーム概要を発表できないとしながらも、佐々木氏は「新しいキャラが出て来ますし、新しい展開があります。これまで初音ミクを知らなかった方にも遊んでもらえるようにしたい」と新要素をプッシュ。しかし、同時に「初音ミクが登場する前に頑張ってくれたMEIKOやKAITOなど従来のキャラにもスポットを当てたい」としています。

楽曲や衣装デザインなども公募する予定で、今後は公式ツイッターがオープンしたのもあり、「皆さんと一緒に作っていきたい。エゴサーチは欠かさないので、たくさんご意見ご要望を書き込んでください」と呼びかけていました。

(C) SEGA / (C) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net

《乃木章》

現場に足を運びたい 乃木章

フリーランスのライター・カメラマン。アニメ・ゲームを中心に、親和性のあるコスプレやロリータ・ファッションまで取材。主に中国市場を中心に取り上げています。

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