『SEKIRO』は難しいだけのゲームじゃない! 発売から半年経った名作“死にゲー”の厳しさと優しさを振り返ってみる【特集】

『SEKIRO』の発売から半年が過ぎました。リリース直後は、その難しさや厳しさがSNSなどで話題となったため、敬遠してしまった方も少なくないのかと思います。そこで今回は、改めて本作を振り返ることで、未経験のプレイヤーに『SEKIRO』の魅力をお伝えします。

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『SEKIRO』は難しいだけのゲームじゃない! 発売から半年経った名作“死にゲー”の厳しさと優しさを振り返ってみる【特集】
『SEKIRO』は難しいだけのゲームじゃない! 発売から半年経った名作“死にゲー”の厳しさと優しさを振り返ってみる【特集】 全 26 枚 拡大写真

◆『SEKIRO』では、“死”に関連するゲーム性も独特─デスペナルティは、極力軽減可能



他の“死にゲー”と同様、大半のユーザーが幾度も死を迎えるのは、この『SEKIRO』も例外ではありません。雑魚にやられたり、手強いボスに何度も殺されるなど、敗北の結果である“死”を繰り返すことでしょう。

「死=リトライ」という構図は、本作や“死にゲー”だけに限らず、アクション全般の基本とも言える流れです。しかし、“死”に関連するゲームシステムなど、『SEKIRO』独自のものもあります。そこには、やはり厳しさもありますが、優しさを感じる一面も。こちらでは、そんな“死”に関する特徴を紹介します。

【『SEKIRO』のここが厳しい!:死にまつわるアレコレ】
■『SEKIRO』デスペナルティは、「スキル経験値」と「お金」が半減

『SEKIRO』では、死んでチェックポイント(鬼仏)からやり直すと、「スキル経験値」と「お金」(作中では「銭」)が半減されます。ちなみに『ダークソウル』シリーズでは、経験値とお金に相当する「ソウル」の全てを死亡時に落とします。ここだけ見ると、『SEKIRO』のデスペナの方が軽く見えますが、落とした「ソウル」は次のプレイで回収が可能。回収に失敗すると完全に失うものの、うまくいけばペナルティをチャラに出来るのです。

『SEKIRO』では、死んで失った「スキル経験値」と「お金」を取り戻す手段はありません。「冥助」という救済システムが発動すれば、何も失わずにリトライできますが、発動条件は確率なので完全に運任せ。頼りにするにはやや心許なく、発動したらラッキーといった程度です。

ちなみに、2度目、3度目にやられた場合も、その都度「スキル経験値」と「お金」が半減。何度も死にすぎると、所持金が「1」という悲しい事態になることも。ここまで減ると、デスペナルティはあって無いようなもの・・・と開き直りたいところですが、もうひとつのデスペナとして、作中のキャラクターが「竜咳」という病にかかってしまいます。自分が何度も死ぬせいで、色んなキャラ達が苦しむというのも、なかなか気の重いデスペナです。

■敵からのダメージは大きく、こちらが与えるダメージは少なめ

『SEKIRO』の攻撃は、雑魚であってもかなり痛め。主人公の体力を増やすことができますが、ステータス的な意味での防御力を上げる装備などはないので(一時的な効果を得るアイテムは存在します)、剣戟で弾く・ガードで防御する・攻撃を回避する、といった行動でダメージを受けないようにするのが肝要です。

一撃の痛さは、ボス相手だと更に顕著となり、特に激しい攻撃だと一発で即死級のダメージを与えてくる者も。そういった例外を除いたとしても、数発も食らえばあっさりと死ぬほど、ボスの攻撃は苛烈です。

そして、主人公の攻撃で与えるダメージは、敵と比較するとかなり控えめ。通常攻撃でHPを削りきろうと思ったら、一番弱い雑魚相手でも数回斬りつけないといけません。与ダメージを伸ばす方法はありますが、ゲーム進行にともなって手強い敵が順次登場するので、通常攻撃だけで楽勝という状況は残念ながら訪れません。

■立体的な地形が多く、落下する危険も

フィールドは、忍びの機動力を活かす地形になっており、高低差のある構成になっています。また、進行に合わせた導線作りや、想定外のショートカットを防ぐため、進めない場所は山や崖で区切られている場合も多く、落下する危険がはらんでいます。

特に崖の近くでボスと戦う際は、ロックオンでボスに注視していると、崖との距離感を見失いがち。主人公は忍びなのでジャンプ力に長けており、敵の攻撃を回避するためバックジャンプ→そのまま崖下に落下、という事態を招くことも。多くの方が初めて出会う回避不能のボス「赤目」と戦う際も、片側が崖になっているので、早速この危機に遭遇する可能性があります。

【『SEKIRO』意外と優しいところも!?:死にまつわるアレコレ】
■『SEKIRO』ならではのシステム「回生」

『SEKIRO』でHPがゼロになると、そのまま死亡する──わけではありません。「回生」と呼ばれる力のおかげで、その場で蘇ることができます。無限に蘇れるわけではありませんが、一度死んでも確実に復活可能なので、そのまま戦いを継続するもよし、フィールドが仕切られたボス戦でなければ、一度逃げ出して仕切り直すもまたよしです。

一度死んで「回生」で蘇った場合、デスペナはまだ発動しません。うまく逃げ出せれば、チェックポイントで休息することで「回生」をリチャージできるため、デスペナの完全回避も可能です。また、条件を満たすことで2度目、3度目の「回生」も不可能ではありません。この「回生」のおかげで難所を切り抜けた、という方も少なくないでしょう。

■事前の準備で、デスペナは極力抑えられる!

死を迎えるとデスペナが発生し、「スキル経験値」と「お金」が半減するのは前述の通りです。しかし、事前に準備しておけば、デスペナを限りなく押さえることが可能です。

「スキル経験値」は、ゲージいっぱいまで溜まると「スキルポイント」となり、ゲージが空になります。デスペナで半減するのはあくまで「スキル経験値」なので、「スキルポイント」はそのまま。ポイントに還元した直後なら、いくら死んでも痛手はほとんどありません。

「お金」についても、ある程度の対応が可能。商人が「銭袋」というアイテムを売っており、このアイテムは購入額の約9割で商人に買い取ってもらえます。そして「銭袋」はアイテム扱いなので、デスペナで減ることはありません。販売している個数に制限があるので、無尽蔵の対策とはいきませんが、ボスと戦う前に「銭袋」を購入して手持ちのお金を減らしておけば、相対的にリスクを下げることが可能です。

また、死に続けていると登場キャラが「竜咳」という病にかかりますが、条件を満たして特定アイテムを使用すると、全員の「竜咳」を一気に治すことができます。その後に死に続けると、また「竜咳」にかかる可能性はあるものの、治療する手段があるだけで気持ちは楽になります。

■敵のHPが残っていても、「体幹」を削って倒すことができる

主人公の忍びが与えるダメージは、決して大きくありません。ですが、ダメージだけでなく、同時に敵の「体幹」を削っており、この「体幹」を削りきる(ゲーム内では、専用ゲージを溜めきる)と、「忍殺」の発動が可能に。この「忍殺」を決めれば、どれだけHPが残っていてもHPゲージ1本分を0にすることができます。HPゲージが複数ある敵でも、「体幹」削りからの「忍殺」を繰り返すことで、スムーズかつ短時間で勝利することが可能です。

むしろ、この「体幹」削りが『SEKIRO』における戦闘の軸となるので、HPへのダメージは「体幹」の回復速度を抑える意味合いの方が大きいほど。そのため、与えるダメージ量が小さくとも、それほど大きな問題ではありません。ただし、「体幹」削りには“弾き”や“見切り”が欠かせないので、一定のテクニックが求められる面もあります。

■落下=死、ではない!?

死んでしまう要因は主に敵からの攻撃によるものですが、“死にゲー”においては落下死も警戒したいポイントのひとつ。探索中の操作ミスでの奈落の底に落ちることもありますが、敵と戦っている時はそちらに集中してしまうので、地形にまで気が回らないこともよくあります。

例えば『ダークソウル』シリーズでは、危うい地形で操作を誤ったり、回避した方向が崖だったりして、そのまま落下死することも多々。落ちる危険性は、『SEKIRO』でも充分あり得るのですが、しかし本作での落下はそのまま“死”に直結するわけではありません。落下した後、HPが減るものの、その上でHPが残っていれば、近くの足場に復帰。死亡扱いではないので、デスペナルティなどもなし。落下=即死ではないのも、『SEKIRO』の優しさのひとつでしょう。HPを一定以上に保っていれば、奈落の底への落下もそれほど恐ろしいわけではないのです。

ちなみにこの話は、いわゆるフィールド外(底が見えない場所)への落下について。地面がある場所への着地ならば、ある程度の高さまではノーダメージで済みます。さすが忍び。一定以上の高さだとダメージを受けますし、HPの残りが少ない時はそのまま死亡してしまうので、その点はご注意を。

■死んだ後のリベンジがやりやすい

“死”に関しては、死ぬまでの過程だけでなく、死んだ後についても気になるところでしょう。“死にゲー”は同じ場面で何度もリトライするケースが多いので、ここの負荷が大きいとプレイ意欲の減少にも繋がりかねません。

『SEKIRO』のリトライは、チェックポイント(鬼仏)からのやり直しとなります。そして、リトライの要因となりそうなボスと戦う直前には、鬼仏が置かれていることがほとんど。フィールドを仕切って戦う(=逃亡できない)ボスとの再戦そのものは、ほとんどストレスなく挑めます。(ボス自体が強くてストレスを覚える、というのはまた別の話として!)

道中にいるボスクラスの敵(名前のある敵)の場合は、鬼仏から離れている場合もありますが、前述の通り回避も可能なので、面倒ならばスルーもよし、強くなってから再度挑むのもまたよしです。



『SEKIRO』最大の難所はやはり“ボス”!「弾き」が出来ないプレイヤーは、果たしてクリア出来るのか!?
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《臥待 弦》

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