今回プレイするのは、Hi-Bit Studiosが贈る『198X』のニンテンドースイッチ版。本作は、1980年代のゲームセンターを舞台に、鬱屈した気持ちを抱えた少年が様々なアーケードゲームと出会っていく、一風変わったアドベンチャーゲームです。
プレイヤーは、少年の物語を楽しむだけではなく、1980年代を代表する様々なジャンルのアーケードゲームをプレイできるんです。
「1983年生まれの僕にはドンピシャなゲームじゃないか?」と思ったのですが、僕がゲームセンターに通い出したのは90年代になってからでした。その頃のゲームセンターは、不良のたまり場から健全な遊び場に移り変わろうとしていた時期だったと思います。
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当時中学生だった僕は、クレーンゲームで取った馬のぬいぐるみを高値で友達に売りさばいており、健全さの欠片もなかったわけですが……
鬱屈した気持ちをベルトスクロールACTで解消!
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電車の中からゲームが始まる。
バンテージを巻き、フードを被ったボクサー風の男が主人公のようだ。
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電車を降りると、画面左上にHPゲージが表示される。これは僕が大好きなベルトスクロールアクションではないか!
『ベア・ナックル』と『ファイナルファイト』を足して2で割ったようなゲームだ。
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プレイヤーキャラクターが繰り出せるのは、攻撃とジャンプ、必殺技のみ。ダッシュや追い打ち攻撃がないのは、1980年代のゲームをモチーフにしているからだろう。
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僕がこのジャンルを好きな理由のひとつとして「打撃音が気持ち良い」があり、本作も敵を殴る時「ボゴッ!ボゴッ!バーン!」と気持ち良い打撃音を奏でてくれる。
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電話ボックスやドラム缶を破壊すれば、武器や回復アイテムが出てくるのもお馴染みだ。
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「ステージの最奥にたどり着いたし、さあボス戦だ!」と思ったら、画面が上にスライドしていき……
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部屋の窓から夜景を眺める少年が現れる。
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そして少年は、鬱屈した気持ちを抱えながら街をさまよい続け、暗い路地裏の奥にゲームセンターを見つけるのだった。
本作は、ベルトスクロールアクションゲームではなく、1980年代のゲームセンターに通う少年の物語なのだ。
僕の苦手ジャンルが襲いかかる…横シュー&レース!
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この日、少年がプレイするのは、横スクロール型のシューティングゲームだ。
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シューティングゲームは僕の苦手とするジャンルのひとつで、プレイ絵日記でも除外してもらっているほどだ。
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通常のショットと溜め撃ちが可能。近年のシューティングのように、ボタン押しっぱなしで連射してくれるタイプではなく、1発撃つのに1回ボタンを押す必要がある。
なんだか懐かしい気持ち……。
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難易度は当時のシューティングゲームよりも易しめな印象なのだが……僕の腕前のせいで、自機が敵の弾に当たって死に、敵そのものに当たって死に、障害物に当たって死ぬ。
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でもコンティニューは何度でも可能だ。
僕は、20回以上コンテニューしてなんとかボスを撃破した。これが現実のゲーセンだったら2千円以上になるだろうなあ。
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そして翌日、またゲームセンターに向かい、今度は『アウトラン』を彷彿とさせるレースゲームをプレイする。
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そう、レースゲームも僕の苦手ジャンルなのだ……片手で数え切れないくらい苦手ジャンルが存在するぞ!
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制限時間内にチェックポイントを通過してコースを走っていく。他の車との接触やコースアウトでスピードダウンしてしまうので、ブレーキとアクセルを巧みに使い分けるのが攻略のポイントだ!
なお、10回コンティニューした。現実のゲーセンならもう電車賃がない!
忍者ACT&ワイヤーフレームRPGは得意だぜ!
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ゲームとゲームの間に、主人公の少年のモノローグが入る。
その内容は少々中二病的だが、何ひとつ変わることのない平凡な日々を悶々と過ごしており、ゲームセンターに行くことが何よりの救いになっているようだ。
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この日プレイするのは横スクロール型の忍者アクションだ。
武器による攻撃、ジャンプ、スライディングを駆使し、襲いかかってくる敵をぶった切りまくるのが非常に気持ち良い。
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触れると即死する罠や崖をジャンプで飛び越えて進んでいく。横スクアクションは大好きなジャンルなので、コンティニューは5回で済んだぞ!
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そして翌日プレイしたのは、ワイヤーフレームで表示されたダンジョンを進むRPGだ。
ランダムでエンカウントする敵を倒してレベルを上げ、マップ内に居るドラゴンを全て倒すのが目的だ。
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そして、これらのゲームをプレイし終えるとスタッフロールが流れ出す。
ストーリーは、後半で急展開を迎え、少年の身に何が起こったのか気になるところで終わってしまった。どうやら物語はこれからも続くようで、本作はパート1の位置づけのようだ。
本作だけではストーリーの全貌は掴めなかったので、早く続編の発売を……!
2時間ほどでクリア出来ました。スタッフロールが流れた時は「あれ?あれれ?」となりましたが、本作の定価である980円の価値は十分にあったと思います。
各ゲームのグラフィックはかなり気合が入っており、当時の雰囲気を残しつつも美しく仕上がっています。まあそのせいもあって80年代というより90年代半ばくらいの印象を受けましたが……。
古代祐三氏をはじめとする著名コンポーザーが手掛けるサウンドも非常に心地よく、苦手なジャンルのゲームも楽しくプレイ出来ました。
ただ各ゲームは、2ステージほどで強制的に終わってしまうので、ひとつひとつの出来が良かっただけに残念でした。もっと続けていたかったです。
『198X』は、PC/ニンテンドースイッチを対象に配信中です。
吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、これまでアニメ作品に3回登場した。何故こんなに漫画登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 吉田のTwitterはこちら。