実はあの娘はヤンデレ系?!チャットで紡ぎ、愛を深める恋愛シミュレーション『私だけいれば問題ないよね?』スイッチ・スマホ版プレイレポ

ヤンデレなこの子やメンヘラなあの子と恋する覚悟はあるか?恋愛シミュレーション『私だけいれば問題ないよね?』のプレイレポです!

任天堂 Nintendo Switch
実はあの娘はヤンデレ系?!チャットで紡ぎ、愛を深める恋愛シミュレーション『私だけいれば問題ないよね?』スイッチ・スマホ版プレイレポ
実はあの娘はヤンデレ系?!チャットで紡ぎ、愛を深める恋愛シミュレーション『私だけいれば問題ないよね?』スイッチ・スマホ版プレイレポ 全 14 枚 拡大写真

当時、ヤンデレ・メンヘラを取り扱った恋愛ゲームが無料で遊べると密かに話題となった、SEECがおくる恋愛シミュレーション『私だけいれば問題ないよね?(以下、わたもん)』。今回はスマホ版とニンテンドースイッチ版との比較を行いながら、本作の見どころを紹介します。

ヤンデレ・メンヘラって言うけれど…


まずはヤンデレやメンヘラという言葉を安易に使ってしまったことに対して、謝意を記さなければなりません。というのは、恋愛の形は百人百様であって、その過程や結果をヤンデレ・メンヘラなどと揶揄するかのように呼んで簡単に片付けていいわけがないからです。

しかし、ゲーム・映画・小説のいずれかにおいてもユーザーはジャンルによってプレイするか否かを決めることは少なからずあり、ジャンルをも含めて語るのは必要だったりするので難しいところです。そのため、この記事の以下においても、もう幾度かヤンデレ・メンヘラという言葉を使うことがあるのかもしれません。先に改めて謝罪の意を置いておきます。

気になるヒロインたちとの恋愛模様


ヤンデレ・メンヘラを扱った恋愛シミュレーションとなれば、やはり気になるのはヒロインたちのとの歪んだ恋愛模様でしょう。

バッドエンディングを見るのが、この『わたもん』を楽しむための側面のひとつといえます。しかしながら、好感度が低ければバッドエンドを迎えるというわけではありません。好感度を高くしつつ、ラストに相手の愛情が歪むようなアクションを取らなければならないのです。ここに、いわゆるヤンデレ・メンヘラのような恋愛性倒錯が感じられますね。

一度、あえて好感度を上げないようにプレイしたことがありますが、こちらの選択に対する返答が辛くて耐えられませんでした。これはこれで面白いプレイ性だとは個人的に思うのですが、こういうのは単一のストーリーが進む中で攻略可能ヒロインが多数いる『ときめきメモリアル』のようなゲームの方が親和性が高いと考えています。そのため、ひとつのストーリーに攻略可能ヒロインがひとりしかいない本作には不向きでした。

ニンテンドースイッチ版。好感度を上げない選択肢を取ったときのヒロインの返答が辛い……

さて、『わたもん』では、ひとりのヒロインに「ハッピーエンド・真ハッピーエンド・バッドエンド・真バッドエンド」という4つのエンディングが用意されています。プレイヤーの選択によってヒロインの好感度が変動するので、同じエンディングを迎えたとしても、それまでの過程に存在した選択肢によってヒロインからの返答に微妙な差異が生まれます。これによりプレイヤーの感想は違う様相を呈すことでしょう。

例えばヒロインのひとりで主人公の幼馴染みでもある花森かすみは、かつて主人公からプレゼントされた髪留めをずっと大切にしています。その理由が終盤に明かされればプレイヤーはそのときの選択に対して後悔するかもしれませんし、あるいはさらに愛着を感じるでしょう。


これはエヴェレットの多世界解釈論(*1)のようなもので、恋愛シミュレーションゲームを楽しむためのひとつのガジェットと言えます。

先に記したとおり、バッドエンドはあくまでもゲームを楽しむための一側面なのです。他の側面というのはもちろん、ハッピーエンドそしてエンディングに至る過程です。そして恋愛的倒錯を前面に出すのであれば、エンディングだけでなく途中の選択肢にも、強制的にバッドエンドを迎える“地雷”を仕掛けておく必要があるでしょう。

しかしながら、このゲームの地雷は軽いもので、悪くても好感度が下がる程度でしかありません。どんな選択をしてもストーリーのラストにたどり着き、4種類のエンディングを迎えます。だからこそ、プレイヤーはアクションの一つ一つに細心の注意を払って、一切の責任を負わなければならないのです。

ハッピーエンドとバッドエンドの最後の選択

システム性の違い


それでは『わたもん』について、スマホ版とニンテンドースイッチ版を比較を見ていきましょう。

基本無料のスマホゲームといえば広告が付き物です。スマホ版『わたもん』においても広告のバナーが表示されますが、ゲームシステムと絡められており、攻略の手助けになることもありました。


例えば広告動画を見ることによって、ヒロイン達からの返信を早めるために消費したハートを回復する、好感度アップに失敗した時は選択肢を選び直せる、イベントシーンを見るのに必要なアイテムの消費を抑えられるなどです。

一方、ニンテンドースイッチ版は有料ゲームになっているので、広告を絡めたシステムは廃止されました。ストーリーに集中できることで快適に遊びやすく、よりエンターテイメント性が高められています。また、ヒロインたちのルート解放は、スマホ版で追加コンテンツとなっていたヒロイン・佐々木リリアンの解放条件以外に差異はありません。

スマホ版。複数のヒロインを同時攻略している最中。モテてる気分になれる!

ちょっぴり残念な要素としては、スマホ版と違ってヒロイン達からの返信が来るタイムラグがほとんどないため、返信待ちの間に他の子と会話をする「モテ男ムーブ」は少し難しいかもしれません。


一方、ニンテンドースイッチ版では、会話ウィンドウが非表示にできる機能が追加されたおかげで、イベント中のヒロインの姿がより見やすくなりました。最近のアドベンチャー系ではウィンドウを消せるのが当たり前になっていますが、スマホ版のように非表示にできないならできないなりに、うまく見えないドキドキ感もありますよね。これまた一興ものです。

システムの違いが生む面白さの流動性


現代においてスマホが単なる情報伝達ツールではなく、もはや我々の生活の一部となっていることはいうまでもないでしょう。友人やSNSの知人たちとコミュニケーションに使ったり、ちょっとしたニュースや情報サイトを眺めたり、ゲームをしたり。それのために時間を割いたり、ちょっとした隙間時間や何かをしながらだったり、あるいは仕事で主として使う人は多くの時間をスマホと向き合っているでしょう。

チャット形式でヒロインたちとの会話が進められかつ彼女たちからの返信にタイムラグがあるからこそ、スマホ版はプレイヤーの生活に溶け込むことができました。時に食事を取りながら、時に風呂上がりに。生活の中のふとした時間の中で連絡を取り合い、少し時間が空いたときにイベントシーンを見るという形を取り入れることで、生活と密着したゲームプレイが可能なのです。

ニンテンドースイッチ版。チャット中のスタンプがいちいち可愛い。

ではニンテンドースイッチ版はどうかというと、ゲーム機というハードの特性ゆえ、プレイヤーの生活との連なりは欠落し、溝が生まれてしまいます。

しかし、こうした日常とは切り離され、プレイヤーがゲームに向き合うという状況は、環境として特別性が付与されます。つまり、ヒロインたちとの恋愛模様の変遷や選択肢に対する駆け引き、時に訪れるヤンデレ的な展開を日常の延長線としてではなく、ゲームとして楽しめるということです。

この日常と非日常的の溝は両者の相互干渉を可能とし、スマホ版よりもプレイヤーに「考える時間」を提供していると言っていいでしょう。それは、ゲームのストーリーやプレイ性に関することだけでなく、恋愛的倒錯や邪恋、日常での恋愛全般についてかもしれません。

恋愛シミュレーションが提供する選択の重み



いかなる行動・選択においても、必ず結果が伴います。あの時こうしていれば、なんて反実仮想は、たぶんこの世で最も無意味な考えでしょう。だからこそ、現実だろうがゲームであろうがその結果に関係なく、行動には責任を負わなければなりません。

しかし、ゲームにおいてプレイヤーには再びプレイする権利があるので、プレイの方法を変えられます。すでに攻略したヒロインであれば別のアプローチから彼女たちを見つめ直し、想いを巡らせることで、より深くキャラクターや物語を味わえるのです。

本作について話を戻しますが、ひと口にヤンデレ恋愛シミュレーションと言っても、重厚なストーリーや分岐点がたくさんあるなど、いろんなベクトルのゲームがあります。そんな中でも『わたもん』は、けっして長くはないストーリーにもかかわらずガツンと強い一撃を持っています。全6人いるヒロインたちはヤンデレ具合も方向性は異なります。しかし、それぞれの物語は間違いなく楽しめることでしょう。




スマホ版がリリースされた当初、筆者は軽い気持ちでバッドエンドとなるルートをプレイしましたが、その結末にいたたまれなくなり、彼女たちを助け出したくて、2人でハッピーエンドを迎えようと奔走していました。

プレイしようと思い立つのは軽い気持ちでもいいんです。しかしながら読者あるいはプレイヤーの皆さん、自分の行動と選択には少なからず責任を負うべきです。だから、彼女たちに愛される資格があるのです。ただ、少し歪んでいるのですが。

(*1)量子力学における、世界に対する観測の解釈の一つ。選択や行動によって分岐した、無数の平行宇宙(パラレルワールド)が存在しているとするもの。

《竜胆いふ》

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