衝撃の発表だった「アイカツプラネット!」批判にも耳を傾ける自信に期待感が膨らんだ

インサイド編集部のアイカツおじさんが「アイカツプラネット!」についてお気持ち表明しました。

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衝撃の発表だった「アイカツプラネット!」批判にも耳を傾ける自信に期待感が膨らんだ
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2020年8月11日、特別配信番組「BANDAI × BN Pictures Festival」にて、バンダイとバンダイナムコピクチャーズによる『データカードダス アイカツ!(以下:アイカツ!)』シリーズの新プロジェクト「アイカツプラネット!」が発表されました。

新プロジェクトの存在はかねてより告知されていましたが、2021年1月から放送予定の「アイカツプラネット!」は、なんと実写とアニメが交差する異色作。今冬登場のアーケードゲーム版の新筐体はボタンがなくなり画面タッチ操作のみに変更。キャラクターをドレスアップする「アイカツカード」は形を変え「スイング」と呼ばれる新アイテムになりました。


この時、リアルタイムで番組を視聴していた筆者は、その変貌ぶりに混乱し、「アイカツプラネット!」はスピンオフ作品かなにかだと勘違いしてしまいました。「次の『アイカツ!』は実写作品なんだ」と理解するのに本当に時間がかかったのです。

Twitterをチェックしてみると、今回の発表について賛否両論が起きていました。「これは英断だと思う」「マイナーチェンジが続かなくてよかった」と好意的な意見があった一方で、「アニメじゃない『アイカツ!』なんて……」「これ『アイカツ!』である必要はあるの?」など、辛辣な意見が目立っていたように思えます。

ただ、忘れてはいけないのが「アイカツ!」シリーズは常に変化してきたことです。


初代「アイカツ!」は、3rdシーズンから星宮いちごちゃんから大空あかりちゃんに主人公が変更されましたし、次のシリーズ「アイカツスターズ!」では、主人公のみならず世界設定を一新。そして「アイカツフレンズ!」では、キャラクターの歌を歌唱担当が歌う体制を廃止し、声優が自ら歌を歌うように。これらの変化も賛否両論が起きていました。

さて、今回、なぜ「アイカツプラネット!」が実写に踏み切ったのかというと、タカラトミーの「ガールズ×戦士シリーズ」の影響が強いのではないかと考えています。バンダイナムコホールディングスの2021年3月期第1四半期決算短信によると、「アイカツ!」シリーズの売上は過去最低水準を記録。これはコロナ渦によってアミューズメント施設が休業し、アーケードゲームがプレイできない状態が続いたのが大きな要因といえるのですが、近年の売上も大ヒットした初代「アイカツ!」と比較すると好調とはいえないものでした。

一方、タカラトミーの2020年3月期 第3四半期決算短信によると女児向け特撮テレビドラマシリーズ「ひみつ×戦士 ファントミラージュ!」関連グッズの売上は好調と記されており、さらにその人気もあってかシリーズ最新作「ポリス×戦士 ラブ パトリーナ!」が2020年7月26日から放送されています。

「ガールズ×戦士シリーズ」の好調は、近年の女児向けコンテンツのトレンドが「実写」であることを指しているのかもしれません。

ただ、そんなトレンドによって「アイカツ!」の実写化に踏み切ったとしたら、どうしても「大人の事情」や「妥協」という言葉が思い浮かんでしまいますが、ちょっと待って下さい。この大きな舵取りには、大人の事情や妥協ではなく、「アイカツ!」をつくってきた人々の本気の覚悟が感じられるのです。

実写ドラマ「アイカツプラネット!」の制作陣に注目してみましょう。本作の監督には木村隆一氏。初代「アイカツ!」の監督であり、シリーズのスーパーバイザーでもある人です。さらに、シリーズ構成は「アイカツスターズ!」の千葉美鈴氏、キャラクターデザインは「アイカツ!」シリーズの作画監督やデザインワークスを担当した宮谷里沙氏と、歴代シリーズの制作に携わったスタッフが揃っており、さらに実写制作は、特撮作品としてクオリティが高い「牙狼-GARO-」シリーズを手掛けた東北新社が担当しています。

つまり、今回の「アイカツプラネット!」は、苦し紛れの変化ではなく、相当な予算と優秀な人材を投入した一大プロジェクトであることがわかるのです。

ただ、以上のことを踏まえても、実写になった「アイカツプラネット!」に対して否定的に捉える人はいると思います。これまでアニメの「アイカツ!」シリーズに親しみを持っていたわけですから。


これらの批判について制作側はどう思っているのでしょうか。それについては「BANDAI × BN Pictures Festival」の放送後に公開された、「アイカツプラネット!」の主演である伊達花彩(音羽舞桜/ハナ役)さんの自己紹介映像で垣間見られます。

伊達さんは、自己紹介の中で「『アイカツ!』をしにショッピングモールに行ったらそこでスカウトされた」と自身も「アイカツ!」ファンであることを語りながら、さりげなくファンの批判を受け止める姿勢を見せています。これは彼女だけではなく、映像の編集者をはじめとした関係者も、この急激な変化に批判がくるのは百も承知なんだと思います。


伊達花彩さんをはじめとした実写キャストは、「STARRY PLANET☆(スターリープラネット)」としてユニットを組んでアイドル活動を行っており、YouTubeではその活動の一環である映像が続々公開されています。そして、それらの映像には評価やコメントがつけられるようになっているのは、批判を受け入れる覚悟があるからだと筆者は考えています(もちろん批判には場と言葉を選ぶ必要がありますが)。

これらから「それでも新しい『アイカツ!』を好きになってほしい」という制作陣の切実な姿勢を読み取れました。そのバックグラウンドには、長年にわたってコンテンツを支えてくれたファンに対するリスペクトと、期待以上のものを出せるという自信もあるからだと思います。

現状の情報だけでは、「アイカツプラネット!」が「アイカツ!」ファンから受け入れられる作品なのかはわかりません。タイトルに「アイカツ」と冠しているならば、ただ面白ければ良いというわけではなく、これまでのシリーズに繋がる要素もなければファンは納得できないでしょう。

制作陣は、その高いハードルを越えなければなりません。もしかしたらハードルは崖のように高いのかもしれません。しかし、彼らが描いてきたアイドル達は、そんな崖をリスクを顧みず登ってきたのです。

「アイカツプラネット!」がどのような作品なのかまだわかっていません。それは、実写作品でも「アイカツ!」の魅力が損なわれず、むしろ新しい時代に合わせてより洗練されたものに進化している可能性もあるわけです。

元々高いハードルもとい崖をさらに高くしてしまいましたが、これは筆者の中にある期待からくるものでもあり、批判からくるものでもあります。「そのくらい素晴らしいものではなければ実写化には納得できない!」というファンの心情があるわけですから。


前述したとおり、映像作品の「アイカツプラネット!」は2021年1月放送開始予定、アーケードゲーム版の新筐体は今冬登場予定です。これから大きな変貌を遂げる「アイカツ!」シリーズに注目しようではありませんか。ファンの不安を吹き飛ばしてくれることを願って。

《真ゲマ》

『ドラゴンフォース』が一番好き 真ゲマ

吉田輝和の絵日記やトイレオブザイヤー、ギャグ漫画「ヴァンパイアハンター・トド丸」、洋ゲー漫画「メガロポリス・ノックダウン・リローデッド」など、これまでゲームメディア業界に影響を与える様々な企画を立ち上げてきました。他社メディアでも活動中なので、気軽にお仕事の依頼をお願いします。 ちなみに、ユウキレイ先生が手掛ける4コマ漫画「まほろば小町ハルヒノさん」(まんがタイムで連載中)で教師役として出演中です。

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