『レッド・デッド・リデンプション』本日10月7日で10周年! 不器用な男の生き様と「デッドアイ」が織りなす西部劇体験は、10年経っても美しい・・・

西部劇+オープンワールドの名作が、日本上陸から10周年を迎えました。あの、懐かしい日々を振り返ります。

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『レッド・デッド・リデンプション』本日10月7日で10周年! 不器用な男の生き様と「デッドアイ」が織りなす西部劇体験は、10年経っても美しい・・・
『レッド・デッド・リデンプション』本日10月7日で10周年! 不器用な男の生き様と「デッドアイ」が織りなす西部劇体験は、10年経っても美しい・・・ 全 13 枚 拡大写真

広大な世界を地続きで楽しめるオープンワールド。このシステムを採用するゲームジャンルは多岐に渡っており、それぞれに代表的な作品が存在します。

例えば、オープンワールドの知名度を大きく押し上げた『グランド・セフト・オートIII』以降のシリーズ作品は、クライムアクションとオープンワールドを融合させた魅力で熱烈な支持を受けました。また、中世風ファンタジーRPGなら『オブリビオン』や『スカイリム』などが有名でしょう。

そして、西部劇をモチーフとし、ガンマンとして荒野を駆け抜けるオープンワールド・アクション『レッド・デッド・リデンプション』も、外せない名作のひとつです。


PS3/Xbox360向けにリリースされた本作は、その魅力的なモチーフや見事な世界観の描写、凄腕ガンマンを味わえるゲームシステム、そして移り変わる時代の中で不器用に生きる男の生き様を描き、多くのゲームファンを魅了しました。

そんな『レッド・デッド・リデンプション』は、海外版のリリースから遅れ、2010年10月7日に発売。本日でちょうど、日本上陸の10周年を迎えました。そこで、10年の月日が経っても記憶に残る名作の魅力を、今回改めて振り返ってみたいと思います。

硝煙と荒野に彩られ、過去に追いつかれた男の姿を、美しい西部劇描写で綴った『レッド・デッド・リデンプション』



『レッド・デッド・リデンプション』の特徴といえば、西部劇の醍醐味を味わえる点を外せません。銃と愛馬を相棒に、法と無法の境に自らの生き様を刻み、多数の荒くれ者を唸らせ、一人荒野を行く。映画や小説などで憧れた世界を、オープンワールドという広大な舞台で再現した本作は、歴史に記された一時代に生きる類いまれな体験を味わわせてくれる1作でした。


当時のゲーマーをまず唸らせたのは、美しい世界描写でしょう。主人公のジョン・マーストンをはじめ、無骨なガンマンや無法者、日々の糧を得るため働く人々に、高圧的な政府関係者など、等身大な彼らをリアルに描いており、西部劇への没入感を飛躍的に高めてくれます。


また、荒涼とした大地や木々に囲まれた山間、沼地に砂漠といった、様々な顔を見せる自然環境も、この世界にいつまでも浸っていたいと思わせる美しさに満ちていました。ただ広大なだけでなく、訪れる土地によって一変する風景の重なりが、世界の広さと充実度に手応えを与えてくれます。グラフィックの美しさは、10年の経過を経てもまだまだ通用するクオリティの高さを改めて感じたほどです。


そしてもちろん、この世界は美しいだけではありません。街を出れば、あらゆる危険がジョンを襲います。そこでは、オオカミに囲まれ、クマやクーガーに食い殺され、アウトローとの戦いに明け暮れる日々が待っています。この、危険の隣り合わせの感覚もまた、プレイヤーにとって心地よい刺激と言えるでしょう。


また本作がユニークな点は、こだわりを貫くハイクオリティな西部劇描写を実現させた一方で、時代的には開拓時代の終わりを描いている点です。法の目が強固となり、無法者たちが生きづらくなっていく時代に焦点を当て、世界の変化に乗るもの、乗ろうと足掻く者、そして乗れなかった者達の生き様が、本作のストーリーに重厚さを与えます。


ジョンが旅に出る理由も、決して希望に満ちたものではありません。平和な生活を手にしましたが、かつてはギャングだったジョン。その弱みを政府に握られ、妻と息子の身柄と引き換えに、かつての仲間たちの殺害を命じられたのが発端です。


無法と逃走の日々と決別し、時代に合わせた新たな生活を歩んでいたジョンは、しかし過去から逃げ切れず、その手を血で染める世界に舞い戻りました。本人の意志だけでは、犯した行いとは決別できません。時代が変わろうとも、己の罪は清算できない・・・そんな厳しい現実もまた、本作らしい味わい深さを感じさせてくれます。


そんな重みのある物語とは裏腹に、随所で展開する銃撃戦では、心地よい刺激と爽快感が楽しめる点も見逃せません。本作の戦闘はTPS視点のアクションで、銃撃がメイン。そのため、敵を素早く狙う技術も求められます──が、ただの撃ち合いだけだけでは終わらないのが、『レッド・デッド・リデンプション』の魅力のひとつ。


ゲージが溜まっていれば、いつでも任意で発動できる「デッドアイ」を使うことで、複数の敵を華麗な早撃ちで同時に仕留めることが可能。リアルな銃撃戦ではなく、華麗な西部劇体験は、戦闘においても再現されています。また、西部劇の華とも言える一騎打ちもあり、一瞬の交差で決着する緊張感と達成感は、他では代え難い体験です。


ジョンの立場は苦しい状況に置かれているものの、プレイ自体は自由度が高く、寄り道もし放題。プレイヤーの気分に合わせて、広大な世界をどこまでも楽しめます。とことん無法者を貫くもよし、アウトローに襲われている人々を助けるもまたよしです。


ちなみに筆者は、人助けなどに励むかたわらで、気に入らない依頼主を縛り上げて荒野に放置するといったプレイを楽しみました。善人ムーブを続けていたためか、縄に縛られた一般人を担ぐガンマンがいても、誰も見とがめません。たまたま運が良かったのかもですが、こんな好き勝手も許してくれる『レッド・デッド・リデンプション』の懐の深さは、今も強く印象に残っています。


めくるめく西部劇体験と、変化する時代の波に翻弄される男達の物語を描いた『レッド・デッド・リデンプション』。10年の時が経っても、あの荒野を駆け抜けた記憶は今も鮮明に残るほど。西部劇+オープンワールドという組み合わせは絶対数が少ないので、その点でも非常に貴重な作品でした。

そして現役のゲームファンにとっては、本作と直接的な繋がりを持つ『レッド・デッド・リデンプション2』も印象深いことと思います。ナンバリング上では『レッド・デッド・リデンプション』の続編ですが、時間軸は『2』の方が先で、本作が後日談の位置に当たります。


もし『2』のプレイ経験があるならば、ダッチたちのその後を本作で見届けてみてはいかがでしょうか。PS3とXbox 360でプレイできるほか、今ならばXbox One Xで遊ぶこともできます。


逆に、本作のみプレイ経験があるユーザーは、本作では断片的にしか語られなかった彼らの過去が明らかとなる『2』のプレイがお勧めです。10周年というこの機会に、『レッド・デッド・リデンプション』の世界を拡げてみるのも一興ですよ。



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《臥待 弦》

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