7話「QTEとチャーリー」
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涼は、チャーリーという男を探しながらもゲーマーライフをエンジョイしていた。
今回挑戦するのは『QTEタイトル2』。ルールはシンプルで、指示されたボタンをいち早く押すだけだ。そんなルールが功を奏して初プレイでもハイスコアを記録。記録を更新するたびに店主の親父に讃えられた。
さらに調子に乗った涼は『エキサイトQTE』をプレイする。基本的なルールは、『QTEタイトル2』と同じだが、『エキサイトQTE』は迫ってくる標的にパンチをしなければならない。まるで体感型アクションゲームのようなプレイ感覚が楽しめるのだ。
しかし、こっちは何度挑戦してハイスコアを記録しても店主の親父は褒めてくれなかった。もっと修業が必要なのだろうか?
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夜の七時を過ぎ、あたりは暗くなってきた。そろそろチャーリーが出現する時間帯だ。
ゲームセンター付近でチャーリーを探していると、以前バーの前で絡んできた船員たちが仲間を引き連れて襲いかかってきた。涼は、お得意の古武術を繰り出して応戦。見事撃退するのであった。
そしてチャーリーの有力な情報を手に入れる。どぶ板のタトゥーショップならなにか知っているかもしれないらしい。明日は早速そこに向かおうとする涼であった。
8話「ダーツとハングオン」
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朝起きてすぐにタトゥーショップに向かった涼であったが、まだ開店時間ではなかったため、ゲームセンターで時間を潰すことになった。もうすっかり常連である。
今回は『ダーツ』をプレイ。ぶっちゃけルールはよくわからないが、的の中心の赤い部分を狙えばたぶん高得点だろう。実際に中心の赤い部分に刺さりそうになったこともあり、それなりのスコアを記録したようだ。しかし、いまいちルールがわからないためゲームに熱中できず、涼は他のゲームをプレイすることになる。
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そしてついに涼は、『スペースハリアー』と同じくらいの時間泥棒『ハングオン』をプレイするのであった。
涼は、筐体のバイクにまたがり体を傾け、グリップを握る。この時、涼は父親を殺された悲劇の少年ではなく、プロのバイクレーサーの目つきになっていた。
同作はバイクレースものだが、制限時間内にゴールしなければゲームオーバーになるというルールがあり、制限時間内にゴールするとすぐに次のステージに切り替わる。ある意味『スペースハリアー』のようなアクションゲームをプレイしている感覚だ。
しかし、涼はライバルと頻繁にクラッシュを起こし、コースから大きく外れ、自機を爆散させるのであった。
9話「リベンジ!『ハングオン』!」
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『ハングオン』で惨敗を喫した涼だったが、その後着実にプレイヤースキルを向上させていった。カーブ時は、減速をしてコースアウトに警戒しなければならない。かといって、減速ばかりしているとタイムアウトしてしまう。絶妙なさじ加減が求められる。
トライ&エラーを重ねていくうちにスコアが上がり成長していく涼だったが、残金がゼロに。こればかりはどうしようもないのだ。
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金もなくなり、タトゥーショップも開いたので行ってみると、ようやくお目当てのチャーリーと遭遇した。
正直なところ、第一印象はがっかりである。遭遇した際に一悶着あったが、やはり弱い。最初にチャーリーだと勘違いしてしまった男の方が強そうだと思った。
いずれにしても、明日、チャーリーは中国の組織の人間と会わせてくれるという。
涼は、今日やることは全て終え残金もゼロになったので、大人しく帰宅するのであった。
10話「久しぶりの自宅」
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チャーリーの件が意外にもあっさり片付いたため、夕方には帰宅できた涼であったが、正直なところやることが全くない。
しかし、こういう何もしない時間こそ自分にとって必要だったのかもしれない。父が殺されてから殺伐とした世界に足を踏み入れ、心休まる時間がなかった。今こそ自室で無心になるときではないだろうか。
そんなことを考えていると、自室の机に置いてあったカセットテープを目にする。そういえば引き出しにラジカセがあった。せっかくなのでひたすらラジカセの曲を聴いてみようじゃないか!……と思ったら最終的に電池が切れてしまう。
ラジカセには電池が必要だと学んだ涼であった。
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翌日、涼は、稽古相手の福さんにこれから中国の組織の人間と会うことを告げる。そのやり取りを聞いていた稲さんは、事件の真相のことは諦め、道場に残り父の意志を継いで欲しいと懇願するが、それでも涼の心は揺れず、ついに根負けし、事件の手がかりとなる手紙を渡す。その際、涼に「危険なことをしない」と約束を強いるのであった。
実質ヒロインである稲さんの制止を振り切り、それでも飛び発とうとする涼に待ち受けているものとは――
さて、ただの寄り道だらけの『シェンムー』のプレイ日記になってしまいましたが、本作の魅力はまさにこの寄り道。残念ながら今回は書けませんでしたが、スロットマシーンやフォークリフトレースをはじめとしたミニゲームも待ち受けています。もちろん、本筋のストーリーもクライマックスを迎え、さらに面白くなること間違いなしです。
ちなみに、アニメなら1クールの13話まで書くべきだと思ったのですが、文字のボリュームがすごいことになったため、キリの良い10話までにしておきました。でも、最後の10話が日常回っぽかったのは、最終回に向けて急展開を迎える前の僅かな安息みたいで意外とアニメっぽく思えました。
なにはともあれ、こうやって改めて書くと、『シェンムー』の映像化は非常に難しいのではないかと感じました。ストーリーの本筋だけでも魅力的であるのは間違いないのですが、やはり寄り道的な要素も描かなければファンは納得できないかもしれません。
その部分がどのように描かれるのか注目されそうです!