『A列車で行こう はじまる観光計画』ゼロから学ぶ列車運行の仕組み【ダイヤ設定編】

『A列車で行こう はじまる観光計画』の難しい電車運行の仕組みをいちから考えます。

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『A列車で行こう はじまる観光計画』ゼロから学ぶ列車運行の仕組み【ダイヤ設定編】
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本格的なダイヤ運行を構築できるアートディンクの『A列車で行こう』シリーズ。その最新作『A列車で行こう はじまる観光計画』がニンテンドースイッチで登場しました。PC版の『A列車』シリーズとは異なり、DSシリーズ作品からの流れを汲んだ初心者にも親しみやすいコンシューマー向けのデザインとなっており、チュートリアルステージでは機能を一つずつレクチャーしてもらえます。


ただし、シリーズが初めての人には一つ大きな難点があります。それは、列車ダイヤの組み方について全く教えてもらえないことです。機能の使い方は分かっても、実際にどう運営していくかを知らないまま交通整理を手探りでやるしかありません。まるで、社長と呼ばれながらもマニュアルだけ渡されて放置された新入社員のようです。衝突事故が起きないよう予めOJTで教えてもらいたいのですが……。


とはいえ、後にも先にも運行管理をやらないことには『A列車』ははじまりません。そこで本記事ではコンストラクションモードを使用し、単純化した路線で列車の制御をゼロから学んでいきます。


まずは基本の「単線」をマスターしよう


ここに1本の線路と2つの駅があります。1両の列車がその間を往復しているだけの路線です。これが最も単純な形の「単線」で、最小限の管理と経費で運営できます。特に設定もせず列車を置くと、1駅5分の停車の設定だけで勝手に走ります。これでは制御しているとは言えないので、まずは定刻で発着するように設定します。


列車の選択画面でYボタンを押すと、列車の到着予定時刻が表示されます。これだけでは具体的な運行時間が分からないので、「運行計画」の項目を選択します。


ここでは発着の詳細や、駅間の所要時間が表示されるので、これを基に運行計画を立てましょう。確認すると「北仙台乗降場」「北仙台2乗降場」の2駅間が「0.4 km/8分」だと分かりますね。これの往復分(8分×2回)と各駅の停車時間(5分×2駅)を足して、26分で1サイクルの計算です。この1サイクルの所要時間はゲーム上では表示されないので、自分で計算する必要があります。時刻設定をするために最も重要な情報なので、スマートフォン、PC、ノートなど何らかの外部メモを活用しましょう。


初期設定では26分の往復を繰り返すだけなので、まずは1時間に1本の定刻で運用します。「発車条件」から「発車時刻」を選び、上の画面では6時ちょうどに設定しました。すぐ上にある「発車時刻」の欄を見ると「06:00」と表示されていますね。このままでは、1日に1回しか運行を行いません。


次に、「繰り返し時間」と「発車本数」の項目を調整します。「繰り返し時間」を1時間、発車本数を5回にすると、発車時刻の欄が先ほどより増えましたね。これで、1時間に1本定刻で発車するようになりました。5本だけだと10時までなので、一日中休み無く動かしたい場合は発車本数を24回に設定しましょう。数値を変えれば2時間おきを12回、30分おきを48回とすることもできます。


ただし、間に合わない時刻に設定した場合は、出発時間を遅らすのではなく、スキップして次の発車時刻まで待機します。例えば現在の設定で1分の遅延が発生すると、59分間その場で待機することになります。そのため、先程の1サイクル時間を把握して確実に間に合うようにしましょう。


出発点以外の駅で発車条件を設定すれば、停車時間や戻ってくるタイミングを制御できます。まずは1車両のサイクルを意図通りにコントロールできるようになりましょう。列車の本数を増やす時にはこの調整が大切です。


単線をマスターしたら複線に挑戦だ!


単線は維持管理のコストを抑えられるので楽なのですが、軌道に乗せられるのが1編成だけなので、路線が長くなるほど往復時間がかかり、得られる利益に限界が出てきます。一時待機ポイントを作ってもいいのですが、すれ違いの時刻を設定するのも手間ですし、多くても3編成以上は組みづらいでしょう。


そこで次段階では、上りと下りが別の線路を使用し、ぶつかることがない「複線」を構築します。終着点の手前で分岐を作成し、折り返した列車を平行する別の軌道に乗せます。


分岐を作ると運行計画の中にポイント切り替えの項目が出現します。行きは直進し、帰りは進行方向を変更すれば設定は完了です。三叉は存在しないので、曲がるアイコンは左方向であってもこのアイコンなので注意しましょう。


すれ違いができても終着点での待機時間が長いと、後続の車両が行き詰まってしまいます。停車時間が重ならないようにしましょう。


今回はマップの両端まで伸ばすことで衝突を回避しました。複線はループ構造なので、列車がそれぞれ同じ速度、同じサイクルで走り、停車で追いつかれることがなければ、このまま永遠に運行を続けられます。これが、列車ダイヤを組む時の最も基本的な考え方です。つまり、同じ運行計画をコビーした列車を、時間をずらして配置すれば簡単に列車本数を増やしていけるのです。


拡張機能の「複写」を使えば、1つの運行計画を複数車両に適応できます。そこから間隔を開けて時間を調整するのがダイヤ組みで一番単純な方法です。回送と車庫入れができれば、発着時間を指定せずとも営業時間をずらすだけで安定した運行が出来ます。


理論上、1つの路線に乗せられる編成の数は以下の計算で求められます。


1サイクルの所要時間÷最小限の間隔時間=1路線の最大編成数


この例だと、停車時間を含めて片道1時間、往復2時間の路線です。終着駅では13分停車時間があるので、少なくとも15分は間隔を開ける必要があります。これを上の式に当てはめると、「120分÷15分=8本」となり、15分間隔で8本まで走らせることができます。


1つの駅の時刻表も、列車と同じく駅の管理画面で確認します。列車本数が増えて、決まった時間で発着できているのを見ると気持ちがいいものですね。


発着時間を調整して、途中の駅で停車時間を細かく分散していけば発車本数を増やせます。途中の駅で5分停車時間を設けた場合、終着駅での停車時間は7分まで減ります。すると間隔は10分まで狭められるので、「120分÷10分=12本」に増発可能になるのです。


ここでちょっと想像してみましょう。一周約1時間の山手線はラッシュ時になると2分以下の間隔で発着しています。これを実現するには、1つの軌道上で何編制の車両が走っていることになるでしょうか? また、運行後に入る車庫はどのくらいの規模が必要になると思いますか?


まとめ



  • 1サイクルの所要時間は必ず計算する

  • 複線はループ構造

  • 一定間隔で時間をずらせば安全にダイヤが組める


1つの複線が1路線なので、これを複数繋げていけば乗り継ぎが作れます。路線の折り返しは1つのホームですから、終着駅同士を1つの駅でまとめるのが一番わかりやすいやり方です。このとき路線Aは1番ホーム、路線Bは2番ホームというように、路線ごとにホームを分けて線路を独立させるのが良いでしょう。




最後に1つだけ不満点を。シミュレーションやストラテジーは手探りでセオリーを探っていくのも楽しさの1つではありますが、「分からない」が続くのは大きなストレスなので、新規プレイヤーには仕組みが分かる楽しさを得られるまでのチュートリアルが必要だと思います。特に不具合が多かった初期(アップデート以前)は、自分の運行のミスなのかゲームの不具合なのかが判断が付きませんでした。原因を自力で見つけ出せるまでの習熟をゲーム内で用意しないと、依然として敷居は高いままではないでしょうか。


《Skollfang》

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