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2020年7月に名称を変更し、新たな仲間を5人に増やして新たなスタートを切った次世代Virtual eSportsプロジェクト「ぶいすぽっ!」。2021年6月にYouTubeチャンネル登録者数がぶいすぽっ!メンバー合計100万人を突破していたこのタイミング、直前となる2021年4月16日にデビューを果たしたのが八雲べにさんです。
「もう1年が経つんですけど、デビューしてから。自分でも考えられない、1年が速すぎて…あたし1年経ってますかね?」
2022年3月5日に配信された雑談のなかで、彼女は思わずリスナーにこう問いかけています。リスナーから見ても、何より同僚であるぶいすぽっ!メンバーから見ても、口をそろえて「もう何年も一緒にいたかのような」親近感を不思議と持たせてくれる、そんな魅力が彼女にはあります。
彼女の魅力は、ファンは意外かと思いますが雑談配信にもっとも表れていると言えます。日々の生活でなんとなく思ったこと、父・母・姉妹といった自身の家族について、他の配信などで起こった出来事など、さまざま話題が自身とリスナーからでてきてはサクサクと会話していきます。
そんな彼女には、「リスナーと喋っている」というような気負いなどが感じられず、リスナーからみればまるで友人から話しかけられているかのように錯覚してしまいそうなほど。八雲さんが特徴的なのは、こういった会話の口調や温度感だと言えるでしょう。
初対面のコラボ相手には丁寧な言葉遣いをしつつ、さまざまな角度から話を切り出し、その答えに対してもさまざまな距離感・考えで反応し、徐々に話を膨らませていきます。
しかもその声のかけ方一つとっても、友達に話しかけているくらいに軽やかで、むしろどこか馴れ馴れしさのあるテンションで会話をしていくので、リスナーや他のVTuberもすぐに肩の力を抜いて受け答えしてしまうほど。何を話しかければいいのか?と悩んだり、一問一答にビクつくようなこともない、まさしく「コミュニケーション強者」と言って差し支えないでしょう。
「ぶいすぽっ!を知ったのはすーちゃん(注:ぶいすぽっ!所属の花芽すみれさんのこと)から。元々友達だったけど、どんな活動をしているか全然知らなかったの。すーちゃんがCRカップで優勝したことでぶいすぽっ!のことを知って、他のメンバーについて知っていった。もちろんオーディションもちゃんと受けたよ!」
「リサちゃん(注:ぶいすぽっ!所属の英リサさんのこと)と出会ったのは『PUBG』で一緒にプレイしたとき、ぶいすぽっ!ができる前から知り合いだった。リサちゃんから『よかったら仲良くしてください!』ってDMが届いて、あたしも女の子でこんなに強い人がいるのかって驚いた。ぶいすぽっ!に加入することはリサちゃんには実は伝えてなかったよ」
八雲さんが雑談やコラボ配信中にこのように話しているように、自身が加入する以前から親しくしているぶいすぽっ!のメンバーいたことも影響していそうです。
彼女の親しみやすい性格やムードは、ぶいすぽっ!メンバーによるコラボ配信で早くから存在感を示すことになりました。
2021年春から夏にかけては、これまでプレイしづらかった『Minecraft』『ARK』をプレイするためにぶいすぽっ!専用サーバーが立ち上がったことで、メンバーの多くが同作品をプレイしていくことになり、メンバー同士でのコラボ配信がグっと増えていきました。
花芽なずなさん、英リサさん、神成きゅぴさんと会話の中心かつ「イジり役」になる方が多いなか、デビューしたてということもあってか「イジられ役」を買って出ることが多かったのが八雲べにさんでした。
実は八雲さん、『Minecraft』をあまりプレイしたことがなく、どうやってプレイしていくかもリスナーに聞きながらプレイしていくほどでした。初めて見る『Minecraft』の世界観にいくつもツッコミをいれ、初心者がありがちなミスや失敗を繰り返していきながら、行き当たりばったりなプレイングながらも少しずつ上手くなっていくことになります。
とあるコラボ配信のときには、圧倒的に知識やプレイも上手な先輩たちに「任せてください!」と元気よく返事。「絶対ミスするよぉ…」と先輩から言葉がこぼれ、数分後には予想通りにみごとに失敗、大笑いを引き起こしてしまう。
またある時には、先輩から間違ったプレイや知識を教えられても「へぇ~そうなんですね!ありがとうございます!」と疑うことなく信じ、危なく本当にやらかしそうになるというイジられ方をされる。
普通の新人VTuberが先輩からこんな雑な扱われ方をしたら、当人同士はともかくとしても、新人ということでせっかく見に来たリスナーが嫌な気持ちになってしまうかもしれません。ですが八雲べにさんは、「そんなことは些細なこと」とばかりに屈託のなく笑ってみせ、むしろ先輩に対してズケズケと口を出すこともあるほど。
「グループ全体を巻き込んでFPS以外のゲームに集中する」というのはこれまでのぶいすぽっ!には無く、裏を返してみれば真新しくて何が起こるか分からない状況、そんな場面で新しくデビューした子が笑いをかっさらっていくのです。これほど痛快なことはないでしょう。
どこか生意気だけども憎めない親しみやすさやラフなムード、頭の回転が速く会話力の高さを感じさせつつ、どこかヌケている節が見受けられる言動やプレイングをしてしまうなど、様々な要因が重なって「親しみやすい雰囲気やムード」はいつしか彼女の特徴となってリスナーに浸透していくことになります。ちなみに2021年9月23日に開催された「ぶいすぽっ!秋の抜き打ちテスト~抜け出せ学力ブロンズ帯~」では現メンバーのなかでも下のほうに入ってしまい、ある意味で期待通りの結果を残しています。
この他に彼女のお笑い気質さをより良く知らせてくれるのが、セクシーな声色や声真似です。丸っこくて艶のある声を持つ彼女は、花芽なずなさんなどから「あれやってよ!」と一声振られてセクシーなセリフをガンガン言っていく流れはもはや鉄板。そのセクシーな容姿も相まって説得力も段違いで、その他にも有名なアニメキャラクターの声真似をしても、驚くほどに似ていることもあるほどです。
会話の中で機転を効かせて攻めた返しをしたり、まともにプレイすれば楽に終わるところをわざとミスってみたり、急に一発芸を振られてもちゃんとこなしたりと、配信を盛り上げようと様々にふるまう彼女。ここまでの連載で「ぶいすぽっ!のムードを盛り上げる」役割を担う方を何人か紹介しましたが、彼女もその列に加わっているのは間違いないでしょう。
デビューしてすぐからFPS~サバイバルゲームである『Apex Legends』『VALORANT』といった人気タイトルをつかった大型カジュアル大会や企画に多数参加してきましたが、2021年9月にプロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」に所属するメンバーらと共に『VALORANT』をプレイしていた際、「スマーフ」「ブースティング」に近しい行為をしていたことが発覚。
開発・運営元であるRiot Gamesと共に調査・協議を重ねた結果、「規約違反ではないが、モラル違反である」という回答のもと、1か月の活動禁止となってしまいました。
活動復帰後は事件の影響もあり『VALORANT』をプレイすることは控えていたようですが、徐々に配信活動のなかでプレイすることが増えてきています。
2021年11月26日にはぶいすぽっ!・にじさんじ・ブイアパの面々にストリーマーらを含めた『VALORANT GIRLS PARTY』に出場、IGL役としてチームをまとめあげて見事トップに輝くなど、ぶいすぽっ!随一の実力をしっかりと見せてくれました。
今後彼女が『VALORANT』のカジュアル大会に出場した際には、そのプレイに注目すべきでしょう。
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