清楚・可憐・エレガント ぶいすぽっ!藍沢エマが歩んだ半年とイマ【バーチャルタレント名鑑】

今回紹介するのは現在のぶいすぽっ!における「清楚・可憐・エレガント」、藍沢エマさんです。

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清楚・可憐・エレガント ぶいすぽっ!藍沢エマが歩んだ半年とイマ【バーチャルタレント名鑑】
清楚・可憐・エレガント ぶいすぽっ!藍沢エマが歩んだ半年とイマ【バーチャルタレント名鑑】 全 3 枚 拡大写真
様々なバーチャルタレント事務所が次々に発足し、着実にその裾野を広げ続けているバーチャルタレント(VTuber)シーン。牽引する二大事務所に注目が集まるなかにあって、数年来に渡って活躍を続けるタレントも非常に多い。この連載コラム「バーチャルタレント名鑑」では、様々なカルチャーシーンで奮闘を続けるバーチャルタレント(VTuber)一人一人にスポットライトを当て、これまでの軌跡とこれからの望見について書いていきます。今回紹介するのは現在のぶいすぽっ!における「清楚・可憐・エレガント」、藍沢エマさんです。

2021年の夏。この時期はぶいすぽっ!が大きな飛躍を果たすタイミングだったと言えるでしょう。

各メンバーそれぞれが活発な活動をしつづけているなか、ぶいすぽっ!12人が一つのワールドに集まって生活する『Minecraft』『ARK』といったオープンワールド系ゲームを6月から9月にかけてプレイしはじめます。

時間が空いたらディスコードサーバーに集まり、ゲームを開き、ワールドのなかで待ち合わせ、ガヤガヤと雑談をしながら好きなようにプレイしていく姿は、ぶいすぽっ!12人の距離感がどのようなものかをリスナーに伝えてくれるものでした。

1人が配信をしてワールドを歩き回っていれば、配信している・していないに関わらずゲームプレイしている他メンバーと何度となく出会うことになり、突発かつ瞬間的な絡みを見せてくれ、リスナーをワクワクさせることになります。

とある配信では2人で作業中のところに、別のメンバーが急に入ってきて話しかけてくるなんてことも。曰く、「ボイスチャットしているからとノリで入ってみたら配信中のボイスチャットだったことに気づかなかった」ということですが、もっとも大所帯だったときには、ゲーム配信中のボイスチャットに配信していないメンバー含めて10人近く集まり、ワイワイと雑談をしていることもあるほどでした。

活気にあふれ、無軌道かつ自由に、ゆるく繋がり合う。そこで浮かびあがっていく気軽な距離感・関係性は徐々にリスナーを魅了していくことになります。

この夏の時期には『Apex Legends』『VALORANT』をメインにした大型カジュアル大会や企画に多数のぶいすぽっ!メンバーが参加しており、そこを入口にして彼女らの配信を見始めると、知らず知らずのうちに他のメンバーについても詳しく知るようになったというファンが多かったように思います。

結果として、「ぶいすぽっ!メンバーの誰か1人が好き」というだけではなく、「ぶいすぽっ!というグループが好き」「メンバーの一人一人が甲乙づけがたいほどに魅力的だ」という感覚を植え付けることにも繋がっていきました。

一つのゴールとして、7月末には『Minecraft』ぶいすぽっ!サーバーにて「ぶいすぽ花火大会」が開催され、多くのリスナーが視聴することになりました。メンバーのなかにも、夏の思い出としてこの花火大会を挙げる人もいます。

そんな『Minecraft』ぶいすぽっ!サーバーの世界に、最近新たに参加してきたぶいすぽっ!メンバーがいます。それは2021年9月18日に初配信して以降、ぶいすぽっ!でも随一の清楚キャラクターとして存在を放っている藍沢エマさんです。

初配信開始時点でYouTubeチャンネル登録者数3万人達成、初配信にもその数に匹敵しそうなほどの同時視聴者数を記録し、その後すぐにYouTubeチャンネル登録者数5万人を達成しました。

VTuber/バーチャルタレントシーンといえば、現在にじさんじ・ホロライブという2つの大型事務所がリードしていますが、それ以外の事務所がその2社に匹敵するような影響力を持ちにくい状況にも繋がっています。そういったなかでデビュー時にこれほどのインパクトを残したのは、彼女に対するリスナーの期待値がとんでもないほどに高かったからと言えるでしょう。

デビュー前の時点で、何よりそのビジュアルに魅了された方が多かったと思います。色の薄い黄色みがかった長髪で毛先にかけて薄青緑に染めており、花柄の髪留め、空色の瞳と厚みのある上まつ毛、藍色のカラーリングでしつらえたショート丈のドレスには長い手足が映えて見えるという、まさに「可憐」「エレガント」と言うに相応しいビジュアルでリスナーに大きな期待を持たせました。

藍沢エマさんのデザイン担当をしたのは、ホロライブEN所属のCeres Fauna(セレス・ファウナ)さんのキャラクターデザインや、ライトノベル『聖剣学院の魔剣使い』などで挿絵を描いているイラストレーターの遠坂あさぎさんです。

穏やかな口調、柔らかくも軽やかな声色で、「うあああああ!」と突如驚いても視聴者の耳に刺さるような音圧や刺さった声になることも少ないので、リスナーがどこか安心して見れるという点がまず挙げられます。

「穏やかで柔らかな人物」というと、「何事にも冷静」「リアクションが薄い」といった人物像を思い浮かべそうになりますが、配信で見られる彼女はそういった人物像からは違っています。

雑談だけではなくゲーム配信中でもリスナーのコメントをしっかりと読み、内容によっては「いやぁ…どうすればいいんでしょうね?」と自分のことのように親身になって長時間考えたり、「それじゃないんかーい!」と冗談めかして軽快に返したりと、コメントの温度感やノリに合わせて返事をしていきます。

とある雑談配信で恋愛相談が始まって次々と答えていく中で、彼女の惚気話が届いた際にはリスナーの罵詈雑言に溢れたコメントに自身も「帰れ」とコメントしてみせるなど、茶目っ気ある部分を見せてくれています。

リアクション一つとっても声を荒げることなくキレイな反応をしていくので、メンバーやリスナーからも彼女のリアクションにちょっとした期待が寄せられています。

トークの合間合間で表情や声色がコロコロと変わっていくのも魅力的な要素の一つ。一層柔らかなムードが漂い、所作の一つ一つが彼女の「清楚」「可憐」「エレガント」といったイメージを定着させていきます。

コメントやリスナーに対して声を荒げてピシャリと注意したり、配信中にイラだったり強面な表情を見せることがほとんどありません。そんな彼女の表情が曇るようなことが今後起こらないといいですね。

好きな食べ物はパン。YouTubeチャンネルのトップ画に「自身のチャンネル名」などを載せるのではなく「パンを食べる自分」を選び、初配信ではパンについて語ってみせるなど、その愛の深さが伝わってきます。

それとは別に好きなのが、焼き鳥や枝豆といったお酒のおつまみ。「居酒屋が好きだけど、お酒は強くない」と語っていましたが、自身のチャンネルが収益化した際には記念として飲酒配信をしており、いつもの口調がドンドンと砕けていく様子はとても素敵でした。

【収益化記念】みなさんありがとうございます~~!【ぶいすぽっ! / 藍沢エマ】

これに加えてご飯にかけて食するほどにポン酢が好き。焼き鳥・枝豆・ポン酢、そのチョイスはどこか外見に合わない感じもしますが、これにはおじいちゃん子だったことも影響していそうです。

ゲーム・漫画・アニメが好きという彼女。「ハイキュー!!」「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「東京リベンジャーズ」と近年非常に人気を集めていた作品をしっかりとチェックし、好きだと公言しています。

週刊少年ジャンプ作品やスポーツ系作品が好きで、ぶいすぽっ!メンバーやリスナーに勧められた結果「ソードアート・オンライン」も好きになるなど、嗜好性はライト層のアニメ・漫画好きといったところ。

ですが、Apex配信中に「もしも自分の学生時代に、若き頃のハンサムなトム・クルーズがいたら?」という話題で思わずがっついて話してしまうなど、徐々にディープかつ妄想に溢れたトークをし始めることも。笑い方も普段とは違う「ヒヒッ」と引き笑いになることが多く、「オタク笑い」「気持ち悪い笑い方」と自他ともに認めてしまっています。

ちなみにこのトークをしているところを、人気声優かつ「ぶいすぽっ!」が好きでよく配信を見ているという石川界人さんが「こわい」と思わずコメントしてしまうほど。藍沢さんは「ハイキュー!!」で影山飛雄役が大好きだと明かしていますが、アニメ版で影山飛雄を演じているのが石川界人さん、配信を見返した彼女がどれだけショックを受けたかは容易に想像できそうです。

汚い言葉遣いをしないように気を付けた言葉遣いも相まって、どこか上品な面持ちがあり、「清楚」「可憐」「エレガント」「無垢で汚れを知らない」というのが今の彼女のイメージでしょう。

「そんな彼女にも裏の顔があるはず」と期待しているのは、リスナーだけではなくぶいすぽっ!メンバーも同じで、「化けの皮を剥いでやる!」と冗談めかして話されることもあります。なにより「オタク笑い」というトピックだけで一つのネタになってしまうあたりに、そのクリーンかつ清廉なイメージがいかに強烈かを裏付けていると言っていいはずです。

ぶいすぽっ!に所属しているということもありFPS~サバイバルゲームを中心にプレイしづつけていますが、「どえらい下手くそでオーディション合格してそれからの半年間、たくさん練習しました」とデビュー直前に明かしているように、デビュー直後からは努力家な一面を見せていました。

デビューしてもなお努力を続けると公言していたとおり、ここまでの半年で最も配信しているのは『Apex Legends』。ぶいすぽっ!メンバーが他タイトルをプレイしているなかでも、彼女は継続してプレイしつづけています。

同作品をプレイしている方はご存知でしょうが、このゲームは友人ら3人でパーティを組んで臨めば戦いやすくて勝利しやすいゲームです。それを重々承知のうえ、彼女はほとんどの配信でソロとしてプレイしています。

他のぶいすぽっ!メンバーはメンバー同士またはぶいすぽっ!外のストリーマーらで組んでワイワイとゲーム配信しているなか、彼女はソロプレイでどこまで自分を磨くことができるのか?という点にこだわってソロプレイしているかのよう。「まずは周りに迷惑をかけないよう、ひとりで突き詰めるだけトコトン突き詰める」というストイックな一面に気づかされます。

2021年11月からはほぼ月1のペースでインフルエンサーを集めたスクリムやカジュアル大会に参加しており、デビューからまだ1年に満たない彼女にとって、活動歴が長い先輩たちとともにプレイすることは一つ一つが学びの場所となっているのではないでしょうか。

2022年3月11日にぶいすぽっ!サーバー内で2度目となるMinecraft配信をしていたところ、配信を見ていた先輩の橘ひなのさんが彼女の前に現れ、Discordを繋いで突発コラボ配信がスタート。『Minecraft』が不慣れな藍沢さんは、ひなのさんと共にぶいすぽっ!サーバーの要所を見て歩くことになります。その中で、藍沢さんがデビューする直前に行なわれた「ぶいすぽ花火大会」の会場を歩き、巨大ぶいすぽっ!看板を見つけると思わず記念写真を撮り始める一幕が。

「アタシ生で見るの初めてだぁ!聖地巡礼だ!」
「うわぁ…本物や…」

声をあげてルンルンとする彼女は、まさにオタクそのもの。その後には英リサさん、神成きゅぴさん、花芽なずなさんと先輩たちがドンドンと集まり、8時間半にも及ぶ長時間配信になりました。

この配信にしても、「まずは一人でどこまでやれるのか?」を念頭においてゲームプレイしようとしていたのが伝わってきます。先輩や同期などに頼るのではなく、自分ひとりの力をどこまで高めていこうか。そんな今の彼女が見えてきそうです。

【Minecraft】お腹へったなあ→途中合流w/ひなの先輩リサ先輩きゅぴ先輩なずな先輩【ぶいすぽっ!/ 藍沢エマ】

強圧な姿勢とどこか口汚い言葉遣いという強面なパーソナリティに加え、会話もイジリも上手な先輩たちを見てしまうと、「清楚」「可憐」「エレガント」な藍沢さんは押しが強いとは言いにくいでしょう。ですが、多人数と共にプレイすることを苦にしない藍沢さんのキャラクターを考えれば、活気ある空気のなかにあっても呑まれない個性が既に備わっているともいえるでしょう。

先日にはYouTube登録者数が20万人を超え、ぶいすぽっ!内でも上位の登録者数を誇るバーチャルタレントとなりましたが、この記事を書いている時点ではまだデビューして半年ということを忘れてはいけません。デビュー時にかけられた期待、それ以上の熱い視線が今なお彼女に集まっているとも言えます。

もしも彼女に、どのような状況にも屈しないような強いメンタリティが備われば、どのような女性プレイヤー/タレントへと変わっていくのでしょうか?
今後訪れるであろう成長、飛躍、出会いが彼女をどう変えていくのか、期待を胸にして見守っていくべきでしょう。

真生活 / Cover 藍沢エマ
「バーチャルタレント名鑑」過去記事はコチラ

《草野虹》

福島・いわき・ロック&インターネット育ち 草野虹

福島、いわき、ロックとインターネットの育ち。 RealSound、KAI-YOU.net、Rolling Stone Japan、TOKION、SPICE、indiegrabなどでライター/インタビュアーとして参加。 音楽・アニメ・VTuberやバーチャルタレントと様々なシーンを股に掛けて活動を続けている。 音楽プレイリストメディアPlutoではプレイリストセレクター(プレイリスト制作)・ポッドキャストの語り手として番組を担当している。

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