現在、任天堂のFPSシリーズ最新作『メトロイドプライム4』を開発中のRetro Studiosですが、YouTubeチャンネルDid You Know Gaming?は初期3作に関わったスタッフたちにインタビュー、当時のエピソードまとめた動画を公開しました。
インタビューによると『メトロイドプライム3』は当初オープンワールドであり、主人公サムスのバウンティハンター(賞金稼ぎ)としての側面を強調した要素があったそうです。初代以降の『プライム』シリーズ・シニアプロデューサーを務めたブライアン・ウォーカー氏いわく、構想段階ではメインストーリーの他にサイドクエストが実装しようとしていたとのこと。サイドクエストは賞金稼ぎとして「悪党を追い詰める」内容となっており、クリアした際は通貨の代わりにサムスやスターシップのパワーアップが出来る予定でした。
そしてRetro Studiosはまとめ上げたコンセプト資料を任天堂に渡したところ、強い抵抗感を示されたそうです。当時の任天堂側スタッフは「サムスはお金のために行動しているのではなく、とても利他的な人物である」と説明。しかしウォーカー氏は“賞金稼ぎ”という肩書がある以上、サムスを“利他的な母性のある人物”と結びつけることが出来ず、「自分たちは(この説明をしているスタッフと)同じ惑星にいるのか?」と思っていたそうです。またこの件に関して数日間の話し合いの結果、任天堂が“賞金稼ぎ”を「黄金の精神をもった宇宙冒険家」と考えていることが判明したと付け加えられました。
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とはいえ、Retro Studiosには社員が少なく、オープンワールドを作るには“開発チームが足りない”という現実的な問題も存在。そこで「任天堂が業界でトップであることには理由がある」として同社の判断を優先、最終的に初期2作と同形式で『メトロイドプライム3』を開発することにしたそうです。
また、インタビューでは他にも初代『メトロイドプライム』が、当初は3人称視点かつ3人主人公の『Meta Force』という作品だったということや、本作ロゴ制作に53回もリテイクを出したことなどが明かされています。