『遊戯王 マスターデュエル』なぜ「ドラゴンメイド・ラドリー」は人気なのか―“ドジっ子”メイドは、エルドリッチとも仲良し?

デラックスメイト第一弾として登場した「ドラゴンメイド・ラドリー」。その人気の理由は“使えない”から?

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『遊戯王 マスターデュエル』なぜ「ドラゴンメイド・ラドリー」は人気なのか―“ドジっ子”メイドは、エルドリッチとも仲良し?
『遊戯王 マスターデュエル』なぜ「ドラゴンメイド・ラドリー」は人気なのか―“ドジっ子”メイドは、エルドリッチとも仲良し? 全 7 枚 拡大写真

コナミデジタルエンタテインメントが手掛けるPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Steam/ニンテンドースイッチ/スマートフォン向け『遊戯王 マスターデュエル』にて、7月11日に新ストラクチャーデッキ「ドラゴンメイド・トゥ・オーダー」が発売されました。

それにあわせてアイコンやプロテクターにおいても様々な「ドラゴンメイド」グッズがずらりと展開。そんな中でひときわ話題になったのが「ドラゴンメイド・ラドリー」のメイトでしょう。

こちらは従来のメイトより豪勢になった「デラックスメイト」第一弾。そんな特別仕様に選ばれた「ドラゴンメイド・ラドリー」は、ファンの間でも人気を集めるキャラクターです。

……ただ、実のところラドリーはその人気とは裏腹に、「ドラゴンメイド」デッキにはほぼ採用されていません。それどころか性能的には“ポンコツ”とすら言われそうな部類のカードであり、採用率と人気がどうにも噛み合わない、ちぐはぐなキャラになっています。

“ポンコツだからこそ、人気”……本記事では、そんな「ドラゴンメイド・ラドリー」を解説していきます。

◆「ドラゴンメイド・ラドリー」ってどんなカード?

星2/水属性/ドラゴン族/攻 500/守1600
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
(2):自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札・墓地からレベル7の「ドラゴンメイド」モンスター1体を選んで特殊召喚する。


「ドラゴンメイド・ラドリー」は俗にいう、“墓地肥やし”効果がある一枚。「デッキトップからカードを3枚墓地に送ることが可能」と、かなりのアドバンテージを掴むことができるほど潜在能力をもったモンスターです。「ドラゴンメイド」テーマは墓地効果を持ったカードも多く、上手くハマれば魅力的な効果でしょう。上手くハマれば……。

ただし狙ったカードを確実に墓地に送れるのならば魅力的ですが、実際は上手くいかない可能性の方が高く、それが採用率が低い原因になっています。

その絶妙な使いづらさとポンコツっぷりに、ファンから「ラドリーのカード性能は、わざとそのドジっ子キャラに寄せているんじゃないか?」と噂されるほど。

たしかに、ラドリーはカードイラストでも洗濯物を地面に落とす姿が描かれていて、「努力してるけど、実ってない」感がバリバリ伝わるキャラクターです。使いたいけど、使いづらい……優秀なメイドたちが揃う「ドラゴンメイド」の中で、“ミスの多い妹”感が漂っていることこそが、ファン人気の理由ではないでしょうか。

●公式からも愛されている!?「ラドリートラップ」として汎用罠カードが登場

そんな中、2021年7月に発売された「遊戯王 OCG」の「バースト・オブ・デスティニー」にて、ラドリーの新規カードが登場しました。「ドラゴンメイド」の新規カードではなく「ドラゴンメイド・ラドリー」の新規カードです。

その名も罠カード「ラドリートラップ」。洗濯物を落としたラドリーが、ついた汚れを必死に落とそうとしているワンシーンがイラスト化されており、思わず助けたくなるような可愛らしい一枚になっています。後ろからは心配そうに覗きこむ「ドラゴンメイド・ナサリー」の姿も。

永続罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが召喚・特殊召喚された場合にこの効果を発動できる。自分のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。
(2):このカードが効果でデッキから墓地へ送られた場合、「ラドリートラップ」以外の、このターンに自分の墓地へ送られたカード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。この効果の発動後、次の自分ターンの終了時まで、自分はこの効果で手札に加えたカード及びその同名カードの効果の発動をできない。


面白いことに本カードは「ドラゴンメイド」テーマではなく、いわゆる汎用カードの部類に入ります。

効果そのものは「デッキトップの墓地送りに、ドジっ子なランダム性が絡む」という、いかにもラドリーらしい内容ですが、テキストには「ドラゴンメイド」の指定がありません。

「ドラゴンメイド・ラドリー」をイメージしていても、その性能を補強するような効果ではないことも特徴的でしょう。そのため「ドラゴンメイド・ラドリー」は依然として使いづらく、ドジっ子のまま……。

単純に「ラドリーが愛されてるから新規カードとして採用されたのでは?」 と思ってしまうような一枚です。

◆まさかのエルドリッチとコラボ!? ファンの間で考え出された「ラドリー活用法」

さて、散々ポンコツと言ってしまいましたが、ランダム性はあるもののデッキトップからカードを3枚墓地に送るというのは結構有能な効果です。

肝心の「ドラゴンメイド」テーマではそのランダム性が足を引っ張りましたが、遊戯王プレイヤーの間では、「墓地効果に全振りしたデッキでラドリーを活用できるのでは」という考察が進みました。

その結果産まれたのが、「バージェストマ」や「ガエル」デッキなどでラドリーを活用する流れ。水属性・星2ということでも相乗効果を狙えるとされ、ようやく採用率が低かったラドリーにも活躍の機会が訪れたわけです。

そんな「ラドリー活用デッキ」群の中、強烈なインパクトをファンの間に残したのが「黄金卿エルドリッチ」との混成デッキ。エルドリッチは墓地効果に特化したテーマであり、「ドラゴンメイド・ラドリー」が活躍できるということで誕生した本デッキが話題になりました。

反響を呼んだ最大の理由はおそらく、幼く可愛らしいラドリーと「黄金卿」の名を持つエルドリッチのアンマッチ具合でしょう。「黄金卿エルドリッチ」は、凶悪な性能とイラストのカッコよさからファンの心に深く残っているモンスターであり、一見正反対なふたりが、性能として噛み合っている様子は印象に残ります。

一部ファンの間では「ドラゴンメイドを解雇されたラドリーの就職先」「エルドリッチがラドリーの主人」などと言われ、ファンアートまで登場する始末。時に主人を墓地に落とすラドリーと、何もなかったかのように場に出てくるエルドリッチのコンビが想像できますね。


「絶妙に扱いづらい」とされながらも、ファンや公式から愛され続ける「ドラゴンメイド・ラドリー」。ついに「デラックスメイト」として『マスターデュエル』に現れ、デュエル外でも活躍してくれるようになりました。盤面でちょこちょこと動く、目を離したらこけてしまいそうな愛らしさは必見です。


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《高村 響》

多義的に面白いことが好きです 高村 響

兵庫県生まれ。子供の頃からゲームを初めとしたサブカル全般にハマっていたものの、なぜか大学にて文学研究で博士課程まで進むことに。本が好きで、でも憎い。純文学を中心とした関係性の中で生きていたが、思うところあってゲームライターに転向。その結果、研究のさなかゲームをしまくっていたことが恩師にバレつつある。 読んでくださっている皆様、どうぞよろしくお願いします。

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