コンプラに疲れた社会人よ、「歩行・横臥・私語・会話」の全てが懲役対象の世界を見よ!『フリーダムウォーズ』の超管理社会に震えが止まらない

社会規範は時代によって異なるもの。ゲームに作品によっては、かなり厳しいルールが敷かれているものもあります。

ゲーム 特集
コンプラに疲れた社会人よ、「歩行・横臥・私語・会話」の全てが懲役対象の世界を見よ!『フリーダムウォーズ』の超管理社会に震えが止まらない
コンプラに疲れた社会人よ、「歩行・横臥・私語・会話」の全てが懲役対象の世界を見よ!『フリーダムウォーズ』の超管理社会に震えが止まらない 全 18 枚 拡大写真

今年の新社会人が入社し、1ヶ月ほどが過ぎました。そろそろ会社に慣れ始める頃かと思いますが、新しい社会の場で戸惑った経験を持つ人も多いことでしょう。

特に昨今は、コンプライアンスがより重視され、ハラスメントにも敏感な時代になりました。健全な職場環境を維持するためにも重要ですが、慣れない新社会人はもちろん、先輩や上司の方々も正しく遵守すべく対応に注力する場面もあることと思います。

現代のコンプラ・ハラスメント問題も簡単ではありませんが、今年1月にリマスター版が発売された『FREEDOM WARS Remastered(フリーダムウォーズ リマスター)の世界は、現代のものとは全く異なるコンプラが敷かれており、驚かされる規則も少なくありません。

世界が違えば基準も変わるのは当然の話ですが、『フリーダムウォーズ』の世界に根付いている社会規範や倫理に基づく社会的なコンプラは、いずれも衝撃的なものばかり。「そんな世界に産まれなくて良かった……」と思ってしまうほど、強烈な規則の数々をご覧ください。

■産まれただけで「懲役100万年」の罪って、初手で詰んでない?

『フリーダムウォーズ』は近未来を描いており、その世界では資源が枯渇し、国家化した都市同士が資源を奪い合う過酷な状況に置かれています。

こうした背景から、産まれる=資源を消費する存在と認識され、生産活動に関わらない人間は例外なく「懲役100万年」という気が遠くなる刑期を科せられるのです。

産まれただけで罪人。しかも、その罪深さは100万年。その懲役を少しでも少なくするには、ボランティアに従事しなければなりません。なお、「ボランティア」の意味も現代と異なっており、『フリーダムウォーズ』における「ボランティア」は、命を落とす危険もある「戦闘行為への参加」に他なりません。

■独房で5歩以上歩くことなかれ

「ボランティア」を繰り返し、減刑を重ねていけば、いつか100万年という懲役も終わりを迎えることでしょう。しかし、日常生活の中にも様々な規則が横たわっており、それに違反すると懲役が追加されてしまいます。

懲役のある人間を作中では「咎人」と呼び、独房での生活を強いられます。しかし、この独房の中にも自由はありません。なんの権利も獲得していない咎人の場合、独房内で5歩以上の移動行為を行うだけで、「平時における5歩以上の自立歩行罪」に当たります。

しかも、たったこれだけの違反でも、追加の懲役はなんと10年です。自分の生活スペース内を数秒歩いただけで、10年もの懲役が科せられる世界。「起きて半畳寝て一畳」で生きろとでも言わんばかりです。

■休息は取っていい。……横になったな? 懲役10年だ

ちなみに、咎人には「アクセサリー」と呼ばれる人工のパートナーが帯同します。アクセサリーは監視の役目も兼ねており、咎人の違反行為にも目を光らせます。

見た目は人間のようなので、つい話しかけたくなりますが、許可なき私語は禁じられており、こちらの懲役は20年。私語は歩行よりも罪が重いようです。

歩行も会話もできないなら、もはや休むしかない。そんな咎人の胸中を察してくれたのか、アクセサリーが「休息を取りますか?」と促すこともあります。

そこで「休息する」を選び、備え付けのベッドで横になろうとしたら……「横になって休息する権利がありません」とまさかの指摘。権利を獲得していなければ、「平時における横臥の禁止違反罪」(懲役10年)に抵触してしまうのです。

備え付けのベッドがあり、「休息を取りますか?」とも言われたのに……と不満を持つ咎人もいることでしょう。しかし、アクセサリーはあくまで「休息」と表現しており、横になっていいとは言っていません。

では、どうやって休息すればいいのか。答えは実にシンプルで、「着座」での休息が許されています。社会に貢献して権利を得ないと、横になって休むことすら許されないのが『フリーダムウォーズ』の世界なのです。「起きて半畳寝て一畳」どころか、「起きて座って半畳」でした。



  1. 1
  2. 2
  3. 続きを読む

《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

+ 続きを読む

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]

特集

関連ニュース