
2月6日、ニンテンドースイッチ/PC(Steam)/PS5/XBOX X|S向けにダウンロード版『スーパーボンバーマン コレクション』の配信が始まりました。
これは、日本以外では未発売だったタイトルを含む『ボンバーマン』シリーズ7作品を収録したもの。ファミコン版の『ボンバーマン』と『ボンバーマンII』、そしてスーパーファミコンからの『スーパーボンバーマン』シリーズ5作品も組み込まれています。
今回は、その中の記念すべきスーパーファミコン版第1作『スーパーボンバーマン』に焦点を当ててみたいと思います。この作品は、その後のシリーズの方向性を形作った金字塔として今も語り継がれている上、当時の子供たちに多大な影響を与えています。
◆簡単なルールと、ナメてかかると…

『ボンバーマン』シリーズのゲーム内容は、文章にすれば極めて単純です。
迷路のようなステージには、破壊可能のブロックが何個も設置されています。このブロックを爆弾で破壊しながら、敵キャラクターも爆弾を使って駆逐し、出口を探してそこに入るルールです。

「何だ、簡単じゃないか」と思って実際にゲームをやると、必ず絶望する羽目になります。ボンバーマンは自分が設置した爆弾の向こう側へ移動することができず(それを可能にするアイテムは存在します)、調子に乗るとブロックと爆弾に自分が挟まれてそのまま爆死……ということは頻繁に発生します。
さらに、敵キャラもステージが進むと一筋縄では行かない奴がどんどんと出てくるように。やたらと耐久力が高い奴、ブロックを乗り越えて移動できる奴、自分自身が爆弾になってブロックやアイテムを吹き飛ばせる奴等々。そいつらを全員やっつけないと、ステージを脱出することができません。

つまり、これはアクションゲームというよりもパズルゲームに近い作品です。迅速かつ的確な判断が求められるパズルゲームと書けば、より『ボンバーマン』シリーズの実情を表しているでしょうか。
◆協力プレイでステージを攻略!
スーパーファミコン版シリーズの第1作『スーパーボンバーマン』の発売日は、1993年4月28日。この当時、筆者は小学3年生に進級したばかりでした。
プレイステーションが発売されるのはそれより1年以上後の1994年12月3日ですから、よほどのゲームマニアでない限りは「家庭用ゲーム機=スーパーファミコン」という意識です。言い換えると、90年代前半の子持ち家庭は極めて高い確率でスーパーファミコンを持っていたということでもあります。
神奈川県相模原市で育った筆者とその仲間たちは、『スーパーボンバーマン』を「スパボン」と呼んでいました。嬉しいことに、このスパボンには対戦モードだけでなく協力プレイモードも実装されています。普段は一人でプレイしているステージを、友達と一緒に攻略できるというわけです。

正直、筆者の『スーパーボンバーマン』の腕前は、お世辞にも「上手い」とは言えないレベル。ここは当時住んでいた法務省管轄の官舎の仲間と共に、困難なステージを突破しよう……と考えても、このゲームは最低限頭を使わないとクリアは難しいという側面があります。最悪、下手な位置に爆弾を仕掛けて仲間の足を引っ張ることにも。
そうでなくとも「このアイテムを誰が取るか?」で、筆者は仲間と喧嘩した記憶が……。
◆「誘爆バリア」で突き進め!
そんな『スーパーボンバーマン』、実は当時から子供たちの間で知られていた裏技というか、「これだけでボス戦も簡単にクリアできる方法」が存在します。
それは、スタート開始直後の約10秒の無敵時間を生かす方法です。この時に爆弾を2個以上置くと、1個目の爆発が2個目を誘爆させます。その現象を生かしてボタンを連打し、爆風を言わばバリアのようにする方法です。10秒の間は敵やブロック相手に無双できます。

『スーパーボンバーマン』は、序盤から耐久力のある敵が登場します。また、制限時間も存在するため、厄介な敵は極力早く片づけたいところ。そのような意図から、「誘爆バリア」は当時の小学生の間でも広く普及(?)していました。
その上で、『スーパーボンバーマン コレクション』には「巻き戻し機能」が存在します。ミスをしたり、誤ったところに爆弾を設置したりした場合は、最大30秒まで巻き戻してプレイをやり直すことが可能です。う~~ん、文明の利器!
◆ゲームが「スポーツ」になった日

ルール自体は簡単なのに、やってみると難しい。スーパーファミコンのソフトには、そうした方向性の名作が多かったと筆者は感じています。
『スーパーボンバーマン』では、「フルファイヤー」というアイテムが初めて登場しました。これは、火力を一気に最大まで上げる代物。もちろん、火力が上がればその分だけ敵を倒しやすくなるのですが……上手く使わないと、自分が爆発の巻き添えに!
この作品は、まさに「スポーツ」でした。
90年代のコンピューターゲームは、大人にとってはまだまだ「遊戯」に過ぎません。将棋や囲碁をそのままコンピューターゲームにした作品はともかく、子供たちに人気の『マリオ』や『ロックマン』や『ボンバーマン』はあくまでも「子供のもの」。大人が子供たちのプレイに混ざる場面は、あまり見られませんでした。
しかし、子供たちは『スーパーボンバーマン』という、頭脳と運動神経を同時に発揮しなければクリアできない作品を毎日遊んでいたのです。
この時の子供たちがやがて成長し、不況と疲弊の極みに達した日本列島に新しい価値観を付け加えました。


