■運命に翻弄され続けたドロシーの受難は、どこまで続くのか

ここまでは、『勝利の女神:NIKKE』4周年の“エモさ”に迫りましたが、尊いだけでは終わらないのが『勝利の女神:NIKKE』です。
開発や運営に、「人の心がないのか!」と言いたくなるような、プレイヤーの想像を超える痛切な展開や要素も、たっぷりと盛り込まれています。


その筆頭とも言えるのが、「ドロシー」の再登場でしょう。かつて、「人類の希望」「勝利の女神」として称えられたゴッデス部隊に所属していた彼女は、リリーバイスの後任としてリーダーを引継ぎ、アークのために力の限り尽力しますが、その想いは裏切られてしまいます。
自分を羽ばたかせてくれる愛しい翼だった「ピナ」も失い、アークを憎むことだけに邁進した彼女は、誰にも理解されず、誰とも苦しみを共有できず、長い長い時間を過ごしました。


しかし、ゴッデス部隊を称え続けた人たちの想いや、部隊を率いていた指揮官・アンダーソンとの再会などを経て、憎しみの檻からようやく解き放たれます──が、運命は(そして、開発・運営は)、ドロシーを翻弄し続けます。
クイーン側の策略により、ドロシーは「浸食」を受けてしまいました。かつてピナを失ったのと同じ状態に、彼女も追い込まれます。この時、アンダーソンの命令に従い、可能な限り遠くに逃げたはずでしたが、公開された予告PVを見ると、ドロシーと思われる女性がクイーンの軍勢に加わっていました。

散々苦しみ続けたドロシーが、ようやく解放されたかと思いきや、ピナを踏みにじった「浸食」を受け、クイーンのために戦う。この予想がそのまま事実だとすれば、ドロシーの心情を思うとやりきれません。
■ドロシーの尊厳を踏みにじる新ボス

しかも、ドロシーの苦難はこれだけではないかもしれません。予告PVとは別に、メインストーリーに登場する新たなボスも2体発表されましたが、そのうちの1体「ノスタルジア」が、ドロシーと無関係ではなさそうです。
これまで登場したボスのなかには、ヘレティック化したニケが巨大化する例もあります。先ほど触れた「モダニア」も、巨大化して指揮官たちに立ちはだかりました。そのため、「ノスタルジア」はヘレティック化したニケの可能性も否定できません。
そして「ノスタルジア」とドロシーの関連性ですが……実は以前、ドロシーの新コスチュームが実装されました。天使のような羽根を備え、ピナに似た人形を抱きしめたそのコスチュームの名前は、「ノスタルジア」。奇しくも、今回発表されたボスとまったくの同名です。
ドロシーらしき人物がクイーン側にいること。そして、彼女のコスチュームと同じ名前を冠したボスが登場すること。さらに、ボスである「ノスタルジア」のデザインには、ドロシーを連想させる要素がいくつも盛り込まれています。
公式Xでは、新ボスの「ノスタルジア」を、「楽園を望んだ切なる願いが歪み、生まれた巨大な個体。二度と戻らない時を愛おしむその手は、触れるものすべてを、思い出もろとも握りつぶす」との文章で紹介しています。

果たしてボスの「ノスタルジア」は、ドロシーが巨大化した姿なのか。それとも、紅蓮やラプンツェルが対象になったように、モチーフとして用いられただけなのか。真相はまだ不明ですが、「人の心がないのか!」と叫びたくなる気持ちは、指揮官なら誰もが理解を示すことでしょう。
■“エモさ”全開だったマリアンに、不安の影
さきほど、マリアンに関する“エモさ”に迫りましたが、同時に“人の心がない”ような展開に、彼女が巻き込まれてしまうかもしれません。
まず、4周年に合わせてイベントも行われますが、そのタイトルが「MARIA-n」です。なぜ「MARIAN」ではないのか、明確な説明はまだありませんが、予告映像を元に推察するなら、指揮官とマリアンが何度も、言い換えるなら「n回」も繰り返し、何らかの実験の被検体になっているように思えます。
実験の被検体というだけでも胸がざわつくのに、それを幾度も繰り返しているとなれば、ただ事ではありません。果たして「MARIA-n」でどのような物語が描かれるのか。期待と不安が入り混じります。
また、「マリアン:クイーン」の新コスチュームとして、純白のウェディングドレスが実装されます。花嫁姿さながらな衣装の実装は、基本無料型のゲームでは比較的ポピュラーで、嬉しい気持ちこそあれ、不穏な気配はありません……本来なら。
問題となるのは、「ラスト・アフェクション」という新コスチュームの名前です。アフェクションは、愛情や愛着を意味する言葉です。ここに「ラスト」を加えると、解釈にもよりますが「最後の愛」と読むこともできます。

「最後の愛」という言葉も受け取り方次第で、これ以上ない最高の愛とも言えますが、絶対的な別れを連想する人もいるでしょう。
ようやく「マリアン」の名でカウンターズに所属できたのに、これが「最後の愛」になってしまうのか。仮にそうだとすれば、持ち上げて突き落とすその仕打ちは、まさに「人の心がない!」と叫びたくなります。

公式Xで「この世で一番幸せな誓い」と紹介されている「ラスト・アフェクション」。どうか、何も失われない愛情であって欲しいと、願うほかありません。
■クイーンとの戦いは、まさかの“勝利の女神”vs「勝利の女神」!

本作のタイトルにもある“勝利の女神”は、ラプチャーに対抗し、地上を奪還するニケたちに向けられた賞賛の言葉です。ゴッデス部隊をはじめ、多くのニケが「勝利の女神」として戦い続け、そして今クイーンとの決戦に挑まんとしています。
そんな折に発表されたもう1体のボスが、なんと「勝利の女神」。現実世界のニケ像(サモトラケのニケ)を思わせるそのボスは、クイーンが軌道エレベーターと融合した形態とのこと。

ニケ像をモチーフとしているなら、「勝利の女神」というボス名も理解はできます。しかし、本作における“勝利の女神”という呼び名は、誇り高き者に向けられた尊い言葉です。ゴッデス部隊の代名詞でもありますし、ハランが去り行く直前、指揮官のヨハンがインヘルト部隊へ贈ったのも“勝利の女神”という言葉でした。
彼女たちの活躍を見続けた指揮官ならば、“勝利の女神”という言葉の重みを熟知しているはず。だからこそ、新たなボスが名乗るのは、到底見過ごせるものではないでしょう。
ゴッデスやカウンターズなど“勝利の女神”であるニケたちの前に、クイーンが「勝利の女神」として立ちはだかる。物語としては非常に盛り上がり、そして開発・運営に向けては「人の心がないのか!」と詰め寄りたくなる展開です。

4周年を迎える『勝利の女神:NIKKE』は、これまでの戦いに決着をつける最終局面を迎えます。
苦難を乗り越えた先にある“エモさ”も、ここぞとばかりに投入される“人の心のなさ”も、『勝利の女神:NIKKE』史上最高のものとなりそうです。どうか心を強く持って、4周年の展開に臨みましょう。



