【インタビュー】『ポケモンコマスター』開発陣が語る“楽しみ方”が深すぎる!全ポケモンが活躍できるシステムの真髄とは

AI”と協力してデュエルを行う『ポケモンコマスター』という新タイトル、いったいどのようにして産まれたのか、開発に携わった皆さんにお話を伺ってきました。

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【インタビュー】『ポケモンコマスター』開発陣が語る“楽しみ方”が深すぎる!全ポケモンが活躍できるシステムの真髄とは
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◆立ちはだかる敵であり頼れる先生でもある“AI”


──『ポケモンコマスター』のルールをAIに落としこむのは相当苦労されましたか?

伊藤:2年前にはじめて『TFG』を見せていただいた時、率直に言って「ヤバいな」と思いました(笑)。ルールの複雑さもそうなのですが、やはりAIは完全情報ゲームの中で活躍するのでランダム要素があると難しいんですよね。なので、本当にAIが強くなるかと途中までドキドキしていました。

ただ、途中からは一気に強くなりましたね。確かに運は絡むのですが、フィギュアの動かし方や戦略を考えて確実に勝利を掴めるようになりました。



──何かブレイクスルーがあったわけですね。

伊藤:AIにルールを教えたあとは、プログラム上で何百万局も延々と戦わせ、その中から勝率の高い手を選びより賢くさせていくということを半年から一年くらい続けていました。はじめはまだヨチヨチ歩きなAIだったのですが、AIの強化を続けるうちに1度か2度ブレイクスルーがあり、そう簡単に勝てないというレベルまで達しているのではと思っています。

──将棋と比べるとどちらが複雑でしょうか?

伊藤:僕はAIエンジニアではないので断言はできないのですが、おそらく『ポケモンコマスター』のほうがたいへんだと思います。拡張性が高く確率もあるというのは、手こずった点でもありやりごたえがあった点でもありますね。これができたことで皆の自信になりましたし、これから要素が増えていっても強さを維持していきたいですね。


ランクマッチで使える「スーパーAI」は、ダイヤ(もしくはAIチケット)こそ必要となりますが、最高峰の技術が詰まっていて勝利に大きく貢献してくれます。特に、戦局に大きな影響を与えるゲーム最初の数ターンに使うと効果的です。

──大山さんでもなかなか勝てないような感じになりましたか?

大山:いやあ、勝てないですね! AIを使わず3つ目のホテルの上層あたりに辿り着いて苦戦していたのですが、「AI先生お願いします!」と頼んだところ勝てたりして(笑)。

伊藤:悩んだ時にAIボタンを押すとすごくいい手を打ってくれますし、その手を見て対処法がわかるようになっていますね。最初はフィギュアの動かし方やワザもわからない時があったりすると思いますが、それもAIボタンが解決してくれますので、困ったら気軽に押してみてください。

大山:最初は相手のフィギュアにどのフィギュアをぶつけたらいいかわからないと思うので、そこはAI先生の動きを参考にするといいですね。それでプレイヤー自身も成長できるでしょうし。

三浦:AIによって、ゲームの奥深さに少しずつ触れつつ、ステップアップしていくことができるとしたらすごく良いことですよね。はじめは「AIはなんでこんなことしているんだろう?」と思うかもしれませんが、きちんと理由があったりするわけです。逆にAIがプレイヤーに対して「ここはプレートの使い時だろう!」と思ってる時もあるかもしれませんが。

一同笑い

──そういえば、クエストのAIはプレートを考慮しないんですよね。そこは自分で考える必要があるというわけですね。

伊藤:はい、クエストとオンライン(ランクマッチ)のAIは別物になっています。オンラインのAIはすべての手を読むことができるので、用意できる最強のものを採用しています。ランクマッチでどうしても勝ちたいという場合は、ぜひAIを頼ってみてください。AIは一手押す瞬間に200~300手を考えているので、大抵の場合はすごくいい手を打ってくれますね。

三浦:逆に、ルームマッチの場合は相手を目眩ましするような手が使えたりしますよね。奇襲するような手を仕掛けるようなことは、『TFG』で大山さんともよくやりあってました。そのあたりはAIには通じませんが(笑)。

大山:囲む罠なんかを作ると人間は引っかかってくれるのですが、AIはその先まで読んで布陣してきますね。

──最強レベルのAIともなると、人間に勝ち目がなかったりするのでしょうか?

伊藤:AIのほうがかなり優勢になるとは思いますが、確率の要素があるので100%勝つということはまずないでしょうね。そういえば、三浦さんと“人間のチャンピオン VS 最強のAI”みたいなことをいつかやりたいと話したことがありました。僕らが作ったAIなら負けないという自信があります! あ、でも一発勝負だと運が絡むので3戦くらいだと……(笑)。

鈴木:デッキは人間が用意するしかないのでそこをどうするかですね。

大山:デッキも使いこなし方で強くなりますよね。クエストだと「ビッパ」がたくさんいて本当にそれでいいの? みたいなデッキもあるんですが、戦ってみると意外と強かったりして。

三浦:『ポケモンコマスター』は、デッキの作り方、プレイングスキル、そして運の3つを軸に考えています。そのうち2つが勝っていれば勝利を掴めるという感じですね。
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《すしし》

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