スクウェア・エニックスのPS4/ニンテンドースイッチ/iOS/Android向けソフト『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』は、瘴気が蔓延する世界でキャラバンを率いて旅をするアクションRPGです。
牧歌的なビジュアル、童話のような口調で語られるナレーションをはじめ、本作には、ほのぼのとした世界が描かれているように見えますが、実際は違います。
瘴気で蔓延した世界では、人々は瘴気を晴らすクリスタルのまわりでしか生きられず、クリスタルの外のモノや情報などは、瘴気を払うクリスタルケージを手にするキャラバンが届けています。
つまり、本作の世界の人々は、我々がいる世界とは異なる生き方をしているのです。そしてそれはかなり過酷なものです。
今回はそんな牧歌的なイメージで覆い隠された本作の怖い部分について語ります。
瘴気のせいで何もかもやばい
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前述の通り、本作の世界には瘴気が蔓延していますが、なにも最初から瘴気があったわけではありません。世界に巨大な隕石が衝突したことで瘴気が蔓延し、どこからともなくモンスターが現れたのです。
人々は、瘴気を晴らすクリスタルの有効範囲内で暮らすことを余儀なくされ、そのクリスタルも定期的に「ミルラの雫」を与えねばならず、誰かがキャラバンを率いてそれを集めなければなりません。しかし、キャラバンが旅の途中で全滅してしまうと……絶望的です。
この世界の人々は、その不安と向き合いながら生きているのです。
実際瘴気で滅んだ村がある
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「ティダの村」と呼ばれるダンジョンは、今は瘴気が蔓延し、モンスターが徘徊する危険な場所になっていますが、本来は太陽の恵みを受けていた穏やかな村でした。しかし、「ミルラの雫」を届けるはずのキャラバンがいつまで経っても帰ってこなかったため、クリスタルの力は失われ、人々は死に絶え、陰鬱なダンジョンへと変貌していったのです。
主人公達の故郷は「ティパの村(デフォルト名)」と呼ばれています。もしかすると名前が似ているティダの村と何かしら縁があったのかもしれません。そう思うと、キャラバンの全滅は他人事ではありませんし、住民が少ない村ではキャラバンの代わりがすぐに見つからないことも想像が付きます。
本当に、死と隣り合わせの世界です。
意外とグロいモンスターがいる
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牧歌的なイメージが強い本作ですが、実は、グロテスクな容姿をしたモンスターがちらほらと登場します。
今では、マスコットキャラ的な扱いをされているモルボルだって、そのディティールをみると禍々しく描かれています。
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他にも虫型モンスターのアントリオン、気色悪い姿のケイブウォーム、猛々しいドラゴンゾンビなどなど……どれも主人公達のビジュアルとは異なるスタイルで描かれています。
隕石の瘴気によって寄せられたモンスターは、異世界からの来訪者であることを示しているのでしょうか。
キャラバンは基本的にいい人達だが……
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旅をしていると、キャラバン同士は助け合って生きていることがわかります。
取引を持ちかけたり、危険なモンスターの情報を教えてくれたり、世界で起きたニュースを教えてくれたりと……どれも「困ったときはお互い様」をモットーにする親切な人達ばかりなのですが、キャラバンの障害と見なされると見捨てられます。
旅の途中でキャラバンから見捨てられるというのは殺されるようなものです。クリスタルケージがない瘴気の世界に放り出されるわけですから。
非常な行為のように思えますが、彼らも生きるのに必死なのです。
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このように本作は、牧歌的な雰囲気に包まれながらも殺伐とした世界を描いています。
これまで本作を「牧歌的なファイナルファンタジーのスピンオフ作品」だと思っていた人は、公式サイトやPVなどでその世界観の片鱗を覗いてみてはいかがでしょうか。