「フィギュア」はどうやって作られる? トップメーカーに密着したら、進化し続ける“職人技”がスゴかった!【フィギュア作り】

フィギュアがどのように企画制作されているかを知るために、インサイド編集部は『フィギュアストーリー』とともに「大人の社会科見学」を企画!フィギュアの企画・制作をひと通り行っている株式会社ウイングさんに協力いただき、制作現場の裏側を取材させてもらいました!

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「フィギュア」はどうやって作られる? トップメーカーに密着したら、進化し続ける“職人技”がスゴかった!【フィギュア作り】
「フィギュア」はどうやって作られる? トップメーカーに密着したら、進化し続ける“職人技”がスゴかった!【フィギュア作り】 全 66 枚 拡大写真

フィギュアの出来に大きく影響! 「彩色」のお仕事とは?


最後にうかがったのは、彩色を担当するスタッフの作業場です。


迎えてくださったのは彩色会社「はじめの」の彩色師の「あきもとはじめ」さんと「たけうちハム」さん。シリコン型で複製されたキャスト製のパーツに彩色を施し、工場で彩色する際の見本を作っています。
そんなお2人にさっそく取材をお願いしました。

▲彩色師の「あきもとはじめ」さん。デザイン専門学校の友人が彩色のアルバイトをしていたことから彩色の仕事を知り、彩色のアルバイトを経て現在に至る。フィギュアに興味を持ったきっかけは海洋堂の「リボルテック」シリーズでした。ウイングでは『ゆるキャン△』シリーズなどを担当。

▲彩色師の「たけうちハム」さん。デザイン専門学校時代の先輩が原型会社に務めていたのがきっかけで、デザイナーとしてフィギュア業界に就職。その後、転職先で彩色担当に抜擢されました。現在はあきもとさんのスタジオのスタッフとして活躍中です。

――まずは彩色の作業の流れを教えて下さい。

あきもと:レジン製の彩色用原型を受け取って、それに直接ペイントしていきます。指示書をいただき、原作あわせなのか、アニメあわせなのか、どういったフィギュアなのか、そのあたりを確認してから作業に入る感じですね。
彩色はひとつの工程ごとコストがかかるので、「コストを抑えるためにグラデーションはここだけにしてください」といった指示が来るんです。

――納品はどのようにされているのですか?

あきもと:塗ったものをそのままお渡しします。

▲あきもとさんの仕事机。

――その際、「この部分はこのカラーとこのカラーを調色して……」といったように、配合の説明はされるのですか?

あきもと:基本的にはありません。ただ、メタリック塗装のような複雑な調色は、配合したカラーのベース色をプラ板に塗り並べてレシピを作るときもあります。でも中国の工場の皆さんは優秀なので、モノを見ただけで分かってしまうんです、すごいですよね(笑)。


――作業的には立体で映える色を考え、実際に塗って模索しながら色を見つけていく感じになるのでしょうか?

あきもと:そうですね。例えば紫色が指定されているとします。そこから同じ紫色の中で見栄えのいい紫色を探す感じです。
ただ照明によって色の見え方が変わってしまうので、意図した色がチェック段階で違う見え方になってしまう悩みもあって難しいです。

▲エアブラシで作業中!

――照明でそんなにも印象が変わるのですか?

あきもと:変わりますね。イベント展示では映える照明を作っていただいているのでそれほどギャップは感じません。写真だとカメラやスマホなどいろいろあるので、見え方が変わる場合もありますね。

たけうち:撮り方で印象が変わりますよね。「あれ? 私、こんなふうに塗ってたっけ?」と思う写真もあります。

――やはり実物をイベント会場で見るのが一番ですね。

▲自作したという塗料棚。竹ひごで仕切りをつけ、取り出しやすいよう傾斜をつけています。

――フィギュアといえば瞳の部分がすごく細かいのですが、これはどうやって作業されているのですか?

たけうち:あきもとさんはご自身で瞳の部分まで塗りますが、私はデータで瞳の部分を作り、それをデカール(シール)にして貼ります。
もともと私はデザイナーとしてフィギュア業界に就職しましたから、その時から瞳の部分や文字の部分をデータで起こしてデカールにしていたんです。当時はそれが仕事でした。

――タンポ印刷のデータを作られていたのですか?

たけうち:そうです。

▲瞳の部分や細かな模様は、工場で手塗りをすると個体差が出てしまいます。それを回避するため、またクオリティーを確保するために、ハンコの要領で次々と印刷していく「タンポ印刷」で機械処理されるのです。

たけうち:私は最初からデータで作っているので、そのデータを担当者さんにお渡しして、担当者さんがそのデータを工場に持っていきます。あきもとさんは手塗りなので、それをもとにタンポ印刷用のデータを起こしてから工場にデータを送る感じですね。

――手塗りにしてもデカールにしても、最終的にはデータ化されてタンポ印刷で量産されるんですね。

たけうち:そうですね。

▲左が手塗りのデコマス。右がデータ処理したサンプル品。

▲手塗りのアップ。

▲データ処理のアップ。

――ところで前々から思っていたのですが、透けた感じを表現する塗装は、どのように処理されているのですか? パッと見たところ、かなり手が込んでいるように感じました。

▲あきもとさんの私物のフィギュア。膝の部分などに透け塗装が施されています。

たけうち:手順としては、まずは肌色を塗り、その上に着衣の色を薄く塗る感じですね。

あきもと:成形色が肌色の場合は、着衣の色を直接薄く塗るケースもあります。

――重ね塗りされていたのですね。てっきり「透け色」を作って塗っているものだと思っていました! それでは最後にお聞きします。デジタル化が進むフィギュア業界の中で、彩色だけは変わらず手塗りがメインです。その状況をどのようにとらえていますか?

あきもと:彩色がデジタル化したとしても、きっと「色を決める人」は必要だと思います。個人的にはそういった進化はワクワクするタイプなので、デジタル化でいいものができるなら大歓迎です!


◆ ◆ ◆
最近は作業机の照明にもこだわり、色の見え方が変わる問題に作業環境レベルで取り組んでいるあきもとさん。そしてあきもとさんの背中を追いかけながら彩色の道を極めようとするたけうちさん。

日本のフィギュアメーカーが作り上げた繊細な色使いは、今や日本製フィギュアの「売り」として世界中のファンに愛されています。玩具業界トップレベルの彩色技術は、そんなクリエイターの日々の葛藤とこだわりが生み出したものだと言えるでしょう。

(C)neco
(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル
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こうして2日間に渡る取材で、改めてフィギュアの魅力に気付いた編集部・竹下。
現場では貴重な裏話はもちろんのこと、一般ユーザーが目にすることはないシリコン型や、3Dプリンターで出力されたばかりのパーツなどに触れ、刺激的な体験の連続でした。

彩色済み完成品フィギュアの制作工程を知ることで増したフィギュアの魅力。一方、現在配信中の『フィギュアストーリー』では、個性豊かなフィギュアたちが物語を通じて魅力的な表情をたっぷりと魅せてくれます。


スマートフォン向けRPG『フィギュアストーリー』は、時間経過とともに育成素材が自動的に集まる、いわゆる「放置ゲー」。オートで進行するバトルも1分足らずでサクサク進むので、時間のないプレイヤーにも優しいシステムになっています。

しかも現在、10月31日までにゲームをはじめると、なんと“期間限定UP”ガチャ10連分が無料で引けるチケットをプレゼント! さらにメインストーリーの「1-12」をクリアすると10連ガチャが無料になります。



このほか公式YouTubeチャンネル「『フィギュアストーリー』運営事務局」では、お笑い芸人やグラビアアイドルがフィギュアに縁のある場所を探索する番組「フィギュアのFULI」を配信中。このほか今後も『フィギュアストーリー』では、フィギュアの魅力・文化に迫る企画を展開予定とのこと。

フィギュアの魅力に触れられる『フィギュアストーリー』は、Android/iOS用向けに配信中です。

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『フィギュアストーリー』公式サイト

『フィギュアストーリー』YouTube公式チャンネル

株式会社ウイング 公式サイト
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《気賀沢昌志》

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