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彼女のビジュアルは、「ひまりのまわり」「アネモネは熱を帯びる」などを手掛けた漫画家・イラストレーターの桜木蓮さんが手掛けており、5年目を迎えようとするキャリアのなかでいくつものパターンが描かれてきました。
銀髪のボブカット、白・黒のカラーにパステルグリーンが印象的に差し込まれたヘアスタイル、フォーマルさとカジュアルさがマッチした独特なコスチュームなど、そのどれもが彼女のオリジナリティを示しているように見えます。
6月14日にYouTubeに初投稿。楽曲は坂本真綾さんの「プラチナ」でした。その後も歌ってみた動画の投稿を中心に長年活動し続けてきました。アニソン・ボカロ曲を中心に、徐々にロック・J-POPなどもチョイスしていった彼女。
その投稿数はデビューから約4年で120曲近くに及びます。歌ってみた・カバー曲の動画をほぼ10日に1曲リリースしていくペース、しかもそれをデビュー時から現在まで続けているのです。
彼女の活動はもちろん「シンガー」としての活動が主です。歌ってみた動画に限らず、自身にとっての初のオリジナルシングル「透明色彩」を2018年10月26日に発表して以来、ここまで10曲のオリジナル曲をリリースしてきました。
デビュー曲「透明色彩」は当時新進気鋭のトラックメイカーとして名を広めていたYUC'eさんがコンポーザーを務め、La la larksさんやkzさんなどがインディーズ時代から彼女の楽曲に参加してきました。
デビュー当初は株式会社CandeeとActiv8株式会社の共同プロデュース、またActiv8が運営するバーチャルタレント支援プロジェクト『upd8』に立ち上げ時から参加していましたが、2020年8月14日にupd8から離脱、プライベートレーベルのyunion.waveで活動を続け、2020年冬にトイズファクトリーよりメジャーデビューすることを発表しました。
翌年の2021年6月16日にメジャーデビューアルバム『eternal journey』の発売が発表されると、先行曲として「キライ」「DAYZ」を立て続けに発表しました。
「キライ」はゆよゆっぺさんが、「DAYZ」はGigaさんが、それぞれ作曲を担当。ドラムンベースライクなトラックが映える「キライ」、K-POP楽曲を遠景にしたグルーヴィなトラックの「DAYZ」と、これまでのYuNi楽曲にはなかった色合いを込めた2曲をリードに、『eternal journey』は発表されました。
先述した2組に、R Sound Design、かいりきベア、八王子P、何よりデビューから楽曲を提供し続けてきたYUC’eも本作に合流。ボーカロイドシーン、ゲーム楽曲、ネットミュージックなどオタクカルチャーと親和性の高いトラックメイカーを起用した本作は、まさに充実なるデビューアルバムだと言っていいでしょう。
2021年11月25日には『【活動方針】これからのYuNiの話をさせてください。』のなかに、1週に1度の生配信をしていくことを宣言。「時代も変わってきて新たなステップを踏んでも良いのではないか?とスタッフと共に決めた。バーチャルだからこそ、これまでよりファンと身近に触れ合いたい」と言いました。
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これまでにもお祝い事やイベントに合わせての生配信やファンクラブ向けの配信はしてきましたが、他のバーチャルタレントのようなゲーム配信・日頃の雑談配信などはあまりこなしてこなかったのも事実。その動向には昔を知るファンにも驚きの声が上がります。
実は彼女、2019年4月23日から2021年12月27日までの2年間、ニッポン放送 PODCAST STATION内で『YuNiのオールナイトニッポンi』としてパーソナリティを務め、そのトーク力にも磨きをかけていたという部分があります。
樋口楓さん、富士葵さん、天神子兎音さんら「飯団四季」として仲良しグループな面々、ももいろクローバーZの高城れにさんと佐々木彩夏さん、ZOCの西井万理那さんと巫まろさん、声優の大空直美さんなど、計129回の放送を届けてきました。
急に思い立ってアクションを起こしたのではなく、必要なスキル・能力をしっかりと磨いたうえで行動しはじめたのが分かります。
生配信をスタートして以降、1週間に1度どころか3日に1度のペースで配信を続けており、「シンガー・YuNi」という側面しか知らなかった人に向けて、よりオープンな形で自分を見せているともいえます。「生配信をしているYuNi」はまだまだ始まったばかりで、徐々に新たなファンをゲットしていけるのではないでしょうか。
「3Dという見た目の垣根を越えていきたい」
「Vと現実の架け橋になりたい」
「リアルとVR、両方の空間に届くようなライブをやってみたいです!」
音源リリースに関わるインタビューで、彼女は一貫してバーチャルと現実を飛び越えるようなパフォーマンスや自身のスタンスを表現してきました。
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いま現在では数多くのシンガー・アイドルがデビューし、Vtuber音楽シーンも大きくなってきました。メジャー・インディという括り、ライブハウスやヴァーチャル空間、アニメキャラクタールック・3Dの外見、そういった違いや垣根を飛び越え、真なるシンガーとして彼女はこれからも進んでいくでしょう。
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